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耐震偽装対策、計算ソフト改訂遅れ 新制度に間に合わず

2007年05月07日00時34分

 耐震強度偽装の再発防止のため、国土交通省が打ち出した構造計算プログラムの改訂作業が大幅に遅れ、新たな建築確認制度が始まる6月20日に間に合わないことがわかった。このプログラムはマンションなどを建てる場合に必要な構造計算書の改ざんを防ぐ中心的な役割を担うはずだった。当面は新制度への対応が不十分な旧プログラムを使うしかなく、マンションやビルなどの建築確認が1カ月程度、遅れるケースも出てきそうだ。

 プログラムの改訂は、姉歯秀次・元1級建築士による耐震偽装事件が発端。姉歯元建築士は、国交相認定のプログラムに耐震強度の基準に満たない数値を入力しながら、構造計算書の一部を別の計算書と差し替えたりするなどの偽装を重ねていた。このため、偽装ができないよう、ソフトメーカーに改訂を求めることになった。

 国交省は当初、今年3月には、ソフト会社から新プログラムの大臣認定の申請を受け付け、6月の新制度発足に間に合わせる計画だった。その後、国交省の抽出調査で新築マンションの約1割に疑問点が見つかるなど、想定を超えたずさんな構造設計が広がる実態が表面化。このため、国交省が示すべきプログラムの基準の検討が長引いて最終決定ができず、ソフト会社の対応が大幅に遅れてしまった。

 新プログラムの条件は、高い改ざん防止機能を持つ▽法令に反した数値が入力できない▽審査しやすい共通様式で計算書が出力される、など。新旧プログラムの切り替えを改正建築基準法が施行される6月20日に合わせたため、現行の106種の認定プログラムは同日、認定を失う。

 国交省はまだ最終的な基準を公表しておらず、ソフト会社側は「未確定の基準ではプログラムは組めない。作業はこれから数カ月かかり、6月中はとても間に合わない」と口をそろえる。ある有力メーカー幹部は「1年間で新プログラムを導入する日程に無理があった」と指摘する。

 新しい建築確認制度への移行後も、建築主や設計者が大臣認定のないプログラムを使った構造計算書で申請することはできるが、建築確認審査が長期化したり、申請料金が割高になったりといった不利益を受ける。

 認定プログラムの場合は電子データを再計算して改ざんの有無を効率的に判定するが、認定のないプログラムは、数百ページもの計算書を1枚ずつ厳格に審査されるため、通常35日以内の審査期間が倍の70日まで延びるおそれもある。

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