 |
開港した神戸空港から飛び立つ日本航空の一番機=16日午前7時すぎ、神戸市で、本社ヘリから |
大阪湾を一望する神戸港の沖合に16日、神戸空港が開港した。国際ハブ空港を掲げる関西空港、国内基幹空港の大阪(伊丹)空港と合わせ「関西3空港時代」が始まった。半径25キロ圏内に3空港が並び立ち、新幹線も巻き込んだ激しい顧客獲得競争が予想される一方、阪神大震災からの復興をめざす神戸や関西全体への経済波及効果が期待されている。
出発一番機は日本航空の羽田行きボーイング777型機。搭乗手続きに手間取り、予定より4分遅れの午前7時9分、乗客453人を乗せ、無事飛び立った。前日に着陸して一晩待機する予定だったが、天候不良のため、同4時半に関空から神戸入りしていた。
初めての到着便は同8時4分、全日空の羽田発ボーイング767型機が乗客265人を乗せて降り立った。出発機との間隔を取ったため、定刻より9分遅れた。午前中、飛行トラブルや目立った混乱はなかったが、保安検査などの影響で若干の遅れが相次いだ。
神戸空港は神戸市が管理・運営する第3種空港で国内線専用。99年に着工。総事業費は3140億円で、全長2500メートルの滑走路1本を持つ。年319万人の利用を見込む。日航、全日空、スカイマークエアラインズの航空3社が、札幌(新千歳)、仙台、新潟、東京(羽田)、熊本、鹿児島、沖縄(那覇)の7都市に、1日計27往復便を運航する。
新空港の運用時間は午前7時から午後10時まで。出発の最終便は午後9時の羽田行きで、到着は午後8時10分羽田発が最も遅い。
羽田便のみ7往復を運航するスカイ社は、関空など三つの不採算路線の撤退を決めての「背水の陣」。機内サービスを絞って常時、片道1万円の運賃を掲げ、大手に挑む。3社の競争で、全日空の山元峯生社長は「航空業界の壮大な実験が始まる」とみる。
新たな観光スポットとしての期待も大きい。神戸・三宮から神戸新交通ポートライナーで最速16分半の利便性を売り物に、「1000万ドルの夜景」を海側から見渡せる展望デッキを旅客ターミナルビルに備えた。06年度中には、空港島の西端に人工ラグーン(海水池)がオープンする。
ビルの東西には、将来の機能拡張をにらんで、ビルの面積の倍以上の土地が残されている。だが、関空の発展を優先する国は、神戸空港を「神戸と周辺の航空需要に対応する地方空港」と位置づけ、1日の発着枠を30往復便に限定したうえ、チャーター便を含む国際線の就航も認めていない。運用条件の緩和が、開港後の課題となる。