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豪雨の犠牲者、7割は土砂災害 地盤の緩み予測困難

2006年07月23日20時26分

 今年、梅雨に入ってからの風水害の死者・不明者28人のうち7割を土砂災害による被害が占めている。長雨で地盤が緩み、突然襲う土砂災害は、河川のはんらん以上に予測が難しく、被害を防ぎにくい。国は市町村単位で警戒を呼びかける「土砂災害警戒情報」を昨年から始めたが、運用しているのはまだ3県だけだ。

グラフ

風水害における死者、不明者数と土砂災害の被害

 消防庁によると、大雨による死者・不明者は長野県の11人を筆頭に28人。このうち20人は、土砂崩れや土石流などにまきこまれたものだった。

 気象庁によると、長野県王滝村では6日間で約700ミリの降水量があり、平年の7月1カ月分の雨が降った。同庁は今年の梅雨の特徴を「前線が同じ地域に停滞し、長い間雨が降り続くため、地盤が緩み、土砂災害が発生しやすい状況が続いている」と警戒する。

 風水害で236人の死者・不明者が出た04年の場合、土砂災害は62人で全体の26%だった。新潟豪雨や台風23号などの河川はんらんで避難の遅れが問題となり、国や自治体は対策を進めてきた。

 これに対し、がけ崩れ、土石流、地滑りといった土砂災害の対策は十分とは言えない。背景として、(1)豪雨が増加傾向(2)森林伐採などの影響(3)危険個所への宅地開発(4)高齢、過疎化による自主防災組織の崩壊などが指摘されている。

 国土交通省によると、人家が5戸以上ある土砂災害危険個所は全国で約21万カ所。しかし、福井市の土砂災害で2人が死亡した現場は、指定されていなかった。

 気象庁は都道府県と連携し、土砂災害の危険をいち早く住民に知らせるため、土壌にしみこんだ雨量や今後予想される雨量、過去の災害実績から土砂災害の危険を伝える「土砂災害警戒情報」を出せるようにした。昨年、鹿児島県で始まり、今年は島根、沖縄でも出ている。来年度には全都道府県で始める計画だ。

 この情報は市町村単位で出せるため、危険地域を絞れる。しかし、土砂崩れで1人が死亡した島根県美郷町では、気象台などが災害が発生する前から警戒情報を出していたが、町は避難勧告を出していなかった。町は、防災無線で注意を呼びかけ、対応できていると判断したという。

 警戒情報を避難勧告にどうつなげるのか、特に市町村合併で広域化した自治体の中で住民にどう情報を伝えていくのかが課題となっている。

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