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松下系社員、請負会社に大量出向 違法性回避策?

2006年08月01日05時59分

 松下電器産業のプラズマテレビをつくる「松下プラズマディスプレイ(MPDP)」が今年5月、茨木工場(大阪府茨木市)内でパネル製造を委託する請負会社に、同工場勤務の松下社員を大量に出向させたことが分かった。同工場は昨年7月、請負労働者を直接指揮命令する「偽装請負」で行政指導を受けている。今回の出向は、これまでの労働実態を変えないまま、松下社員による指揮命令の違法性を形式的に回避したものだとの見方が出ている。この手法が「合法」と認められれば他の製造大手も追随する可能性があり、大阪労働局は近く実態調査に乗り出す。

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松下プラズマディスプレイの請負

 他社の労働者を指揮命令して使うには、労働者派遣法に基づいて使用者責任や労働安全上の義務を負う派遣契約を結ぶ必要がある。しかし、同社茨木工場(松下社員約730人、請負労働者700〜800人)は、こうした責任・義務を負わずに済む請負契約を結びながらも、実際は松下社員が請負会社の労働者と同じラインで作業し、指揮命令していた。このため05年7月、大阪労働局から「事実上派遣で違法状態」と認定され、偽装請負の是正指導を受けた。

 同社はその直後、行政指導に従って、請負労働者全員を派遣契約に切り替えた。ところが今年5月、派遣契約を全面的に請負契約に戻し、これまでパネル製造ラインで指揮命令する立場だった松下社員を「技術指導」の名目で、1年間の期限付きで複数の請負会社に出向させた。労組も合意している。

 関係者によると、出向社員の総数は200人規模にのぼるとみられる。直接の資本関係のない請負会社への大量出向は異例だ。

 パネル製造ラインでは請負契約に戻した5月以降も松下側からの出向社員が請負会社の労働者を指揮命令し、出向社員の業務内容や待遇は変わっていない。出向社員の給与や社会保険料は松下側が請負料金を割り増す形で実質的に肩代わりしている。

 大阪労働局は「前例のない請負形態なので、調査して実態を確認した上で適正かどうか判断したい」という。

 MPDPは、松下電器産業が75%を出資するグループの中核企業で、06年3月期の売上高は1823億円。前期は1117億円で、薄型テレビのブームで業容を急激に拡大している。

    ◇

 松下プラズマディスプレイは「今は請負会社に技術革新に対応するノウハウがなく、社員が出向して指導し、力をつけてもらっている。事業戦略上必要な出向であり、脱法行為のつもりはない」としている。

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