Jヴィレッジ建設 福島知事に弟が東電の意向を伝達
2006年09月27日16時20分
福島県発注工事をめぐり競売入札妨害容疑で逮捕された、佐藤栄佐久知事の実弟で、縫製会社「郡山三東スーツ」(同県本宮町)社長の佐藤祐二容疑者(63)が、サッカーのトレーニング施設「Jヴィレッジ」(同県楢葉町・広野町)を建設して県に寄付したいとする東京電力の意向を、自ら知事に伝えていたことがわかった。企業と知事を結ぶパイプ役を実弟が担っていたことを示す実例で、知事はこの事実を認めている。
Jヴィレッジの構想が持ち上がった93〜94年ごろ、佐藤社長が「東京電力の役員の方から、『明治以来、福島県にはお世話になっているから、恩返しがしたい』と言われた」と、佐藤知事に伝えた。それに対し、佐藤知事は「そのような話があるのなら、県の担当部局を通すべきだ。お前が私に言う話ではない」と弟を諭したという。
その後、東電から県に正式な申し出があり、94年8月、当時の東電社長らが、県庁に佐藤知事を訪ね、Jヴィレッジの建設・寄付の話がまとまった、という。
Jヴィレッジは、東電が97年、原発立地地域の地域振興策として130億円を投じて建設し、同県に寄付した。同県と東電、日本サッカー協会などが出資する第三セクター「日本フットボールヴィレッジ」(社長・佐藤知事)が管理・運営している。5000人収容のスタジアムや10面のサッカー用ピッチ、宿泊施設などが併設されている。ドイツワールドカップの前にはサッカー日本代表の合宿にも使われ、ファンが詰めかけた。
建設当時は、福島第一原発の増設やプルサーマル計画を進めるための見返りではないか、との批判もあった。
佐藤社長は県発注工事を巡り、建設業者の談合の「仕切り役」として暗躍していたとされる。04年8月に実施された同県の阿武隈川流域の広域下水道整備工事の指名競争入札で談合したとして25日、東京地検特捜部に逮捕された。
東電広報部は、朝日新聞の取材に「捜査にかかわると思われることは、一切お話しできない」としている。
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