福島土地取引、時価より4億円高 地検、収賄額を特定へ
2006年10月28日08時18分
福島県発注工事の汚職事件で、収賄容疑で逮捕された同県前知事・佐藤栄佐久容疑者(67)が受け取ったわいろとされる土地取引の価格約9億7000万円について、東京地検特捜部が、時価よりも4億円以上高いとみていることがわかった。特捜部は前知事と実弟の佐藤祐二容疑者(63)の受注謝礼への認識などを調べ、わいろの金額を特定させるとみられる。
わいろとされた問題の土地約1万1000平方メートルは、同県郡山市の住宅街にある。祐二容疑者が社長を務めていた縫製会社「郡山三東スーツ」の本社工場があった場所で、現在は大手スーパーなど店舗が立っている。
贈賄側とされる「前田建設工業」元副会長の指示で、下請けの「水谷建設」が02年、約8億7000万円で購入し、03年2月までに代金を1億円上積みした。前社長が三東スーツの経営難解消のため約10億円が必要と見積もって、ゼネコン側に購入を要求したとされる。
特捜部は、この取引について、土地評価額の報告書などを入手し、関係者への調べを進めた結果、実際は5億円前後が妥当で、9億7000万円は時価を大幅に上回った額とみている模様だ。
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