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タイでクーデター、軍が全権掌握 憲法停止、戒厳令布告

2006年09月20日12時58分

 タイで19日夜にクーデターを起こしたソンティ陸軍司令官をリーダーとする「民主改革評議会」は20日未明、憲法を停止して全土に戒厳令を布告、「権力を掌握した」と発表した。さらに同評議会メンバーは同日午前、テレビで「国の統一を取り戻すためだ」として国民に支持を訴えた。国連総会出席のためニューヨーク滞在中のタクシン首相は、テレビを通じて非常事態を宣言したものの対抗しきれず、極めて厳しい立場に追い込まれた。

地図

タイ中心部

写真

バンコクの首相府近くに展開する戦車=19日、AP

 バンコクでは、20日も首相府周辺などに戦車や装甲車が出動しているが、発砲などの混乱は起きていない。

 軍によるクーデターは91年以来15年ぶりで、ソンティ司令官らはすでに陸海空軍を統帥するプミポン国王にも面会し、情勢を報告したとしている。

 同評議会は陸海空3軍の司令官、国軍最高司令官、警察長官らで構成され、20日午前9時(日本時間同11時)に5人がテレビに出演し、政局の混迷による「国の分裂状態をコントロールする必要がある」と述べた。

 また、これに先立つ声明で「現政権は国内に分裂をもたらした」「腐敗に国民の不信が広がっている」などと首相の政治手法を厳しく批判した。

 同評議会は憲法の停止とともに、憲法裁判所や全閣僚、上院議員、下院議員の機能停止も併せて発表。新たな政府が樹立されるまでは、同評議会のリーダーが首相の役割を果たすとしている。

 一方で、「我々が国を統治するつもりはない。できるだけ早く主権を人民に返す」とし、選挙も近く実施されるとの見通しを示した。各省庁の高官らを20日午前9時から陸軍司令部に集めており、今回の事態や今後の方針について説明しているものとみられる。

 タクシン首相は19日夜、テレビを通じて非常事態を宣言し、ルアンロー国軍最高司令官に事態を掌握するよう指示したが、クーデター派の動きを封じ切れなかった模様だ。首相は、現地時間の19日夜に予定されていた国連総会での演説もキャンセルした。

 また、AFP通信によると、チッチャイ副首相が同評議会によって拘束されたとの情報がある。

 バンコクの中心部では20日も、軍の戦車や装甲車が政府庁舎の周辺などを封鎖している。同評議会が20日を「休日」としたことから、役所や銀行、証券取引所なども閉鎖されたままで道路を走る車の数、人通りともに少ない。街の要所に銃を持った軍人らが配置されているが、通行する車への検問などもなく平穏を保っている。

 また、19日夜から通常番組を取りやめ、断続的に出される同評議会の声明を放映していた各テレビ局は、20日午前の同評議会の会見放映後から通常の番組に戻った。CNNやNHKなど海外からのテレビ放送は一時映らなくなり、地元メディアのウェブサイトもつながりにくい状態になった。

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