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巨大与党は機能停止 タイ国外の幹部、拘束を懸念

2006年09月21日23時45分

 タイ軍部によるクーデターは、タクシン政権を崩壊させるとともに与党タイ愛国党を機能停止に追い込んだ。先週まで「次期首相候補」だった党幹部は拘束されたり、国外で成り行きを見守ったり。ワンマン党首だった前首相が帰国できない状態が続けば、下院の7割以上を占めた巨大与党は解党の危機を迎える。

 バンコク中心部で二つのビルを構える愛国党本部は21日、閑散としていた。普段、議員や記者らが頻繁に出入りするロビーにはほとんど人影がなく、約150人のスタッフも手持ちぶさたな様子だ。党のホームページも19日以降、アクセスできなくなっている。

 全権を掌握した民主改革評議会が2週間で民政移管すると宣言し、21日付の地元紙は一斉に次期首相候補を並べた。そのなかに愛国党関係者の顔はなく、つい先日までの有力候補とされたチッチャイ前副首相は評議会側に拘束されたままだ。他にも3人の閣僚級幹部が拘束中だ。

 クーデターがあった19日、多くの党幹部や閣僚は外遊中だった。一部には軍の不穏な雰囲気を察知して国外に出た幹部もいるとされる。

 前首相に推されて国連事務総長に立候補しているスラキアット前副首相は21日、帰国した。国連総会出席中にクーデターを知り「首相はタクシン氏だ」と息巻いたが、この日は一転して「ソンティ陸軍司令官に電話し、引き続き事務総長候補として活動することを認められた」と低姿勢に。

 一時は次期首相候補の一番手とみられたソムキット前副首相は21日、フランスから帰国、「長く国のために働いたが、今は妻子と過ごしたい。だれかが私の仕事を継ぐだろう」と淡々と話した。

 他の幹部の多くは帰国予定を延ばし、自分が拘束対象かどうかを見極めているとみられている。

 98年に前首相が設立した愛国党は、タイの政治史上最大の政党だった。01年の選挙で下院の半数近い議席を獲得。その後中小政党を吸収し05年の選挙でも連勝。8割近い議席を得ていた。

 前首相一族が政治資金のほとんどを拠出し、選挙も一族が丸抱え。実力者や前首相に反論する幹部は遠ざけられてきたこともあり、有力な後継者は見あたらない。

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