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乗車券リサイクル広がる ファイルやベンチにも

2008年01月06日15時30分

 駅ホームのベンチやトイレットペーパーに生まれ変わったのは、使用済みの乗車券――。名古屋鉄道と名鉄協商(いずれも名古屋市)が紙やプラスチック製乗車券のリサイクルにと開発したシステムが、全国の鉄道事業者に広がっている。廃棄せず長期間使えるICカード乗車券が普及するなかで、乗車券リサイクルの需要はなお続きそうだ。

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細かく粉砕した乗車券は「リキップ」と名付けられたトイレットペーパーやファイル、封筒などの製品となる

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名鉄のホームにあるベンチ。原料の半分は紙やカード類の乗車券=名古屋市中村区の名鉄名古屋駅で

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名古屋市営地下鉄のリサイクルベンチ。奥のベンチは形が似ているがリサイクル製品ではない=名古屋市千種区の桜通線今池駅で

 かつて紙の乗車券は古紙扱いだった。20年ほど前から裏に磁気が付くことが多くなり、産業廃棄物として処理せざるを得なくなった。処理費用が膨らみ鉄道各社は頭を悩ませてきた。

 名鉄などは紙と磁気を分けずに粉砕し、紙製品として再生するシステムを開発した。「紙も磁気も一緒に処理するという方法は、当時ほとんどなかった」と、名鉄経営企画部・湯田晃久サブチーフ。96年に稼働し、当初は名鉄と名古屋市交通局が利用していただけだった。それが、徐々に全国に広がり、現在は全国の22社・交通局に増えた。名鉄の68トンを含め、持ち込まれる使用済み乗車券は実に350トン(06年度)にのぼる。

 リサイクルされた商品で最も需要があるのはトイレットペーパーだ。鉄道事業者が駅や社内で使用するほか、学校やホテル、ビルでも広く使われているという。また、名鉄では名刺やファイル、封筒にも活用している。

 定期券やカード類のリサイクルも、紙製乗車券に少し遅れて始まった。初めは植木鉢などを細々と作っていた。駅で使えるベンチやごみ箱を開発すると、飛躍的にリサイクル率が上昇。名鉄では06年度に初めて、定期券・カード類の100%リサイクルを達成した。

 名鉄名古屋駅のホームに並ぶベンチの座板は、紙切符(約1500枚)とカード類(約320枚)が25%ずつと、廃プラスチック50%を原料としている。同社は06年度に、こうしたベンチを新たに計138台設置した。

 名古屋市交通局は02年、初めてカード類と廃プラ50%ずつを原料とするベンチを地下鉄に導入。06年度末までに17駅に122台を設置している。桜通線延伸で10年に開業予定の4駅にも置く予定だという。

 大阪モノレール(大阪府豊中市)は、昨年3月までに1年かけて全18駅の198台をリサイクルベンチに入れ替えた。大阪市交通局は06年末に開通した今里筋線全11駅に各4台、京王電鉄(東京都多摩市)もこれまでに188台を設置している。

 乗車券をリサイクルに出す事業者は増え、東京メトロのような大口客も出てきた。ただ、購入する方はトイレットペーパーが中心で、ベンチやごみ箱を購入する事業者はまだ少数派だ。

 名鉄と名鉄協商は「価格や使い勝手、更新時期の問題で、ベンチなどの需要は簡単には増えないかもしれないが、少しでもリサイクルの輪を広げていきたい」と話している。

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