現在位置:asahi.com>ニュース特集>地球環境> 記事 監視役かねるガイド―ガラパゴス 「楽園」の光と影・22007年05月28日17時04分 恐竜を思わせる、いかめしい顔つきのウミイグアナが数百匹。黒い溶岩の大地に腹ばいになり、赤道直下の強烈な日差しを浴びていた。
ガラパゴス西部の無人島フェルナンディナ島。自然ガイドが同行しないと立ち入れない地域の一つだ。ガラパゴスは陸地の97%が国立公園で、無人島に上陸する際のルールは厳しい。 1人のガイドが連れて行ける観光客は最大16人。火災を防ぐため、喫煙は禁止されている。動物に手を触れるのはもちろん、フラッシュ撮影もだめだ。 観光客は、幅1メートル前後のトレイル(観察路)を歩く。観察路の両脇には所々、境界を示す木の杭(くい)が打ち込んである。 「この杭から内側に戻ってください!」 道からはみ出た観光客の男性が、ガイドに注意され、呼び戻された。自然ガイドによる観光客の監視は、徹底していた。 自然ガイドはまた、ツアー客の好奇心に、徹底的に応えてくれる存在でもある。特別な講習を受け、試験にパスした人たちだ。 ガイド歴15年のアレックス・アレギーさん(37)は、大学で生物学を専攻。ガラパゴスの歴史から地質、昆虫や鳥の生態まで、ツアー客からのどんな質問にも即座に答える。ノースセイモア島では、グンカンドリのオスの赤い風船のような皮膚を指さし、「濃い赤色は健康の証し。体調が悪いと、くすんだ色になる」と教えてくれた。 ガラパゴスで本格的な観光ツアーが始まったのは69年。かつては、ゾウガメにまたがって記念写真を撮るような行儀の悪い観光客もいたという。 国立公園局は70年代前半から観光ルールの検討・整備に取り組んだ。その結果、現在は、自然を守りながら持続的な観光を行う「エコツアー」の先進地として、世界的に高い評価を得ている。 ただ、課題もある。労働問題に詳しい国立ガラパゴス庁のアブドン・グレーロ移民局長(59)は訴える。 「ガラパゴスの観光収入の8割は、エクアドル本土など島外の業者に吸い取られている。島の住民がもっと観光業に参入できるよう、新しい仕組み作りが必要だ」 PR情報 |