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光化学スモッグ「原因は中国」 企業の排出ガス緩和

2008年4月19日6時3分

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 光化学スモッグの発生が増える季節を前に、注意報発令の際に自治体が地元企業へ要請する排出ガス削減の数値目標について、見直す動きが九州で出ている。これまでは光化学スモッグの主な原因として地元工場や自動車からの排出ガスが想定されていたが、原因物質「光化学オキシダント」が中国大陸から飛来するとの見方が強まっているためだ。努力目標として企業に「20%削減」を求めてきた福岡県や熊本県は、今年から状況に応じて緩和することにした。

 環境省によると、07年は28都府県で延べ220日、注意報が発令された。大分県では70年以降の観測史上初。福岡県では10年ぶりの発令で、全国で2番目に多い513人が目やのどの痛みを訴えた。長崎、熊本などでも観測された。

 大気汚染防止法では、光化学オキシダント濃度が0.12ppmを超えた場合、各都道府県が注意報を発令し、車の運転を減らすよう呼びかけたり、地元事業者や工場に稼働抑制などの協力を要請したりするよう定めている。「20%削減」という数値目標は環境省が示しているものだ。

 企業側は生産量を減らしたり、機械の出力を下げたりと支障が少なくない。福岡県内の製鉄業関係者は「減産につながる。注意報が出れば対応せざるをえず、発令されないことを願うしかない」と話す。

 福岡県も対策要綱で、窒素酸化物や硫黄酸化物などのばい煙を排出する事業者に対し、それらの酸化物が出る燃料使用などを20%削減するよう協力要請することになっている。だが、今年からは状況に応じて「20%」という数値を外すことにした。

 同県では昨年5月8日、これまで想定していなかった糸島郡や筑紫野市で注意報レベルの濃度を超えた。こうした状況を踏まえ、県保健環境研究所が発生原因を独自調査。大気の流れや、国内で厳しく規制されている汚染物質の濃度が高いことなどから、「中国大陸からの移流の可能性が極めて高い」と結論づけた。

 このため対策要綱の運用を一部見直した。(1)壱岐・対馬などでも発生(2)発令が企業活動の少ない早朝や夜の場合(3)国内での規制が厳しい汚染物質が多い――などが確認できれば、「20%減」ではなく、「可能な対策」を求めることにした。

 県環境保全課の北原康則課長は「原因が違えば、工場にだけ特別な負担を強いるのは合理的ではない。できる範囲で努力してもらう」と話す。

 熊本県では今月、福岡県と同様の理由から、従来の「20%」を注意報レベルでは求めず、0.24ppmの警報で20%削減を勧告するように変更した。

 都道府県以外では全国で唯一、協力要請の権限を持つ北九州市も、同様の対策が可能かどうか研究を始めた。市環境科学研究所がオキシダント濃度と大陸からの移流物の関係を調べているほか、工場や自動車から排出される窒素酸化物などとの関係も分析する。(岩田正洋)

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