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キリマンジャロ 雪細る万年雪 温暖化、世界遺産に被害

2007年04月11日11時24分

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)は10日、地球温暖化によって世界遺産が受ける影響を調査した初の報告書「気候変動と世界遺産に関する事例研究」を発表した。氷河や雪の溶解、生態系の変化が自然遺産をむしばむだけでなく、気象や地下水の変化によって文化遺産も大きな被害を受けることがわかった。

 ユネスコが今回調査の対象としたのは「氷河」「海洋生物多様性」「地上生物多様性」「考古遺跡」「歴史的都市と居住区」の5分野の遺産や遺産候補26カ所。50人の専門家を集めた。

 温暖化の影響が顕著なのは氷河や氷雪などの自然遺産。世界最高峰エベレストを含むネパールの「サガルマタ国立公園」では、氷河の後退によって土砂が谷をせき止め、多数の氷河湖が出現。決壊による洪水の心配が高まっている。雪の減少でユキヒョウなど希少動物の生息環境にも異変が起きている。

 タンザニアの「キリマンジャロ国立公園」では1万年以上維持されてきた万年雪が20世紀だけで8割失われ、このままだと15年以内にすべてなくなる。

 海では、豪州のサンゴ礁「グレートバリアリーフ」で海水温度の上昇による白化現象が顕著だった。

 文化遺産も大きな影響を受けている。ペルーのインカ帝国以前の遺跡「チャンチャン考古地域」は、エルニーニョ現象による多雨などが遺跡に被害を与えている。「ロンドン塔」など英国のテムズ河畔の遺産は、水位上昇によって地面の水分が増え、建築物が影響を受けている。

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