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「巨人」加州、国超え行動 脱温暖化社会へ 変わるアメリカ・2

2007年04月21日20時29分

ホワイトハウスから3キロほど離れたジョージタウン大学のガストン・ホール。カリフォルニア州のシュワルツェネッガー知事は11日、700人近い学生や教職員らが埋め尽くしたこの会場で、温暖化対策の推進を力強く訴えた。

写真駐車場に設置された太陽光発電パネル。太陽の動きに合わせて角度が変わる。写真は、垂直に近い状態=カリフォルニア州サクラメントで、加藤丈朗撮影

 「カリフォルニアは自ら行動を起こす。連邦政府やワシントンの政治家を待ったりはしない。われわれは自らの力で他の自治体との協力関係をつくり上げていく」

 州の人口は全米50州で最も多い約3700万人。二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量はテキサス州に次ぎ、全米の約7%を占める。その「巨人」がいま、ブッシュ政権に対抗し、温暖化対策に走り出した。

 対策の柱は、昨年9月に成立した地球温暖化対策法だ。自動車や発電所、工場など温室効果ガスの主要排出源にくまなく排出削減を義務づけ、2020年に排出量を現状から25%、50年までにさらに80%減らすという壮大な目標を掲げる。

 来年中に主な排出源の排出削減計画を定め、12年から規制を始める。

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 州都サクラメント。州大気資源局のジェリー・マーチン広報部長は「カリフォルニアは1960年代、米国で最初に自動車排ガス規制を実施した」と胸を張る。州大気資源局ができたのは67年。連邦の環境保護局設立は70年だ。「米国ではカリフォルニアがリーダーシップを握っている」

 実際、州の排ガス規制は70年、世界で最も厳しい連邦の規制法(マスキー法)になった。この経緯から、米国ではいまもカリフォルニアだけに独自の排ガス規制を定めることが認められている。

 世界の風力発電のルーツも80年代のカリフォルニア。全米で唯一、太陽光発電の大規模導入を進めるなど、再生可能エネルギー利用でも全米を引っ張る。03年からは、電力販売に占める再生可能エネルギーの割合を毎年1%以上増やすよう電力業界に義務づけた。17年には20%にする計画だ。

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 とはいえ、州の対策法には、「いったいどうやって削減するのか」といった陰口も聞かれる。

 州人口は急増し、20年にはいまより17%増えると予測されている。人口増で電力や燃料消費が増えることを考えると、排出量の25%削減は、実質的に「ほぼ半減」を意味するからだ。

 しかし、マーチンさんは「確かにいま、すべての解答は持っていない。できることから始めるだけだ」と受け流す。

 最大の排出源である自動車対策とともに焦点になるのは、近隣州から輸入している電気の半分近くが石炭火力発電所からという問題だ。発電所は排出の22%を占め、自動車(41%)に次ぐ。

 州の温暖化対策にかかわる非政府組織、エネルギー効率・再生可能技術センターのリチャード・ファーガソン研究部長は「再生可能エネルギーの利用を増やし、石炭火力からの輸入ゼロを目指す必要がある」と話す。

 そのためには州を超えた協力が欠かせない。

 2月には、オレゴン、ワシントンなど近隣4州と温室効果ガス排出削減の共同プロジェクトを立ち上げることで合意した。排出量の上限を共同で設定し、排出量取引市場の創設なども目指す。

 シュワルツェネッガー知事は、昨夏には英ブレア首相と会談。排出量取引市場の相互乗り入れの可能性を探ることなどで合意した。

 「カリフォルニアの行動は、想像もできないほどの影響力がある。カナダの諸州との連携も進めていく」と知事は言う。カリフォルニアの挑戦は、州や国を超える。(ワシントン・上田俊英)

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