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自動車大国に規制の波 脱温暖化社会へ 変わるアメリカ・4

2007年04月21日20時29分

 米下院のエネルギー・大気環境小委員会。3月14日、ゼネラル・モーターズ(GM)など米ビッグ3と北米トヨタのトップ4人が、自動車の燃費規制強化をめぐる公聴会に証人として顔をそろえた。傍聴を求める人の列が廊下に長く続いた。

写真帰宅ラッシュで混雑する道路。1人しか乗っていない乗用車も多い=米フロリダ州オールドタンパベイで、加藤丈朗撮影

 「二酸化炭素(CO2)の排出量の義務的な規制を受け入れる用意があるか。イエスかノーで答えてほしい」。下院エネルギー商業委員長でもあるディンゲル議員(民主)は4人にたずねた。

 「イエス」とGMのリチャード・ワゴナー最高経営責任者(CEO)。「いつものことながら規制の詳細が問題ですが」

 北米トヨタのジム・プレス社長も「イエス」と続いた。「われわれはどんな全米規模の計画も、公正で公平なものなら受け入れる用意がある」

 結局、4人はそろって同意を表明した。ニュースは全米を駆けめぐった。「ビッグ4」が公式の場で初めて、条件つきとはいえ、排出量の義務的削減を受け入れる考えを明らかにしたからだ。

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 それから半月あまり。4月2日、今度は連邦最高裁が歴史的な判決を出した。「気候変動の被害が深刻なことは広く知られている」とし、CO2などの温室効果ガスは「大気汚染物質」と判断。連邦の環境保護局(EPA)に事実上、新車からの温室効果ガスの排出規制を実施するよう求めた。

 カリフォルニア州は02年、温室効果ガスを世界で初めて「大気汚染物質」とみなす独自の規制法(パブリー法)を定めた。09年の新車からの導入を目指している。

 米ビッグ3にトヨタなどの日本メーカーも加わり、「CO2は大気汚染物質ではなく、州には規制権限がない」と提訴したため、規制は宙に浮いた形になっていたが、今回の最高裁判決で実施への道が開かれた。

 規制の立案にかかわった非政府組織エネルギー効率・再生可能技術センターのジョン・ホワイト上席部長は「われわれに大きなチャンスがめぐってきた」と話す。

 カリフォルニアの独自規制は、他の州にも広がる。すでに10州が同様の規制を適用する考えを表明しているうえ、さらに2、3州が加わる見通しだ。連邦政府の規制抜きでも、全米の広い範囲で排ガス中の温室効果ガスへの規制が実施される可能性が出てきた。

 全米自動車工業会のマカーディー会長は判決を受けて、「工業会は、連邦政府による全国的で経済界全体に及ぶ対策が必要だと考えている。連邦議会、連邦政府の双方と建設的に取り組んでいきたい」と述べた。

 自動車を対象にした規制が、州ごとにばらばらな基準で、なし崩し的に始まることだけは避けたい。規制が避けられないのなら、幅広い業種で全米同時にやってほしい。そんな思惑がみえる。

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 米国は世界の約9億台の自動車のうち約2億4千万台を抱える。自動車が排出する温室効果ガスは全米の総排出量の27%にのぼり、発電所からの33%に次ぐ。温暖化対策は、自動車対策抜きでは語れない。

 安いガソリンで燃費を気にせずに自動車を走らせる。そんな米国社会も昨年、原油高でガソリン価格が一時、1リットルあたり100円ほどに高騰したこともあり、消費者も燃費のいい車を選び始めた。自動車産業は変革を迫られている。

 (ワシントン・上田俊英)

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