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2050年にCO2半減必要、上昇2度目標 温暖化会合

2007年05月04日21時03分

 地球温暖化を緩和させる方法を検討する国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)第3作業部会は4日、バンコクで開いた会合で報告書をまとめた。気温上昇を影響の少ない2度程度に食い止めるには、遅くとも2020年までに世界の温室効果ガスの排出量を減少に転じさせ、50年には00年より半減させる必要があると指摘。速やかな対策を促した。

 今回の報告書は、温暖化は人間活動が原因とした2月の第1作業部会、気温上昇による深刻な影響を明らかにした4月の第2作業部会の報告書とともに、11月のIPCC総会で統合報告書としてまとめられる。京都議定書後の国際的な対策の枠組みづくりを話し合っていく際の土台になる。

 報告書は、どの程度のコストをかければどれくらい削減できるかを初めて明示。温室効果ガスの排出への課税や排出量取引などの政策をとり、二酸化炭素(CO2)1トンあたり約50米ドル(約6000円)の価格をつけて排出量を減らすようにすれば、2030年時点で、00年には430億トンだった排出量が140億〜230億トン削減でき、100米ドルなら170億〜260億トン減らせると試算。排出量が伸びる分は相殺され、現状以下にまで減らせるとした。

 目標とする気温の上昇幅に応じて、いつまでに排出量を減少に転じさせねばならないかを示した。97年の京都議定書は先進国からの排出量を2010年に90年より5%減らすことをめざしたが、世界全体の排出量は増える一方なのが現実だ。減少に向かわせるための対策で、世界の国内総生産(GDP、05年は約5300兆円)にどんな影響が出るかも示した。

 18世紀後半の産業革命前より2〜2.4度の上昇にとどめる場合は、2015年までに排出量を減少に転じさせ、2050年には少なくとも半減させねばならない。2.4〜2.8度とするなら20年までに減少に向かう必要があり、いずれもGDPの損失は2030年時点で最大3%などと算定した。大きな上昇幅を容認すれば、削減まで時間があるので構造転換が円滑に進み、GDPの損失は少なくなるものの、温暖化による被害は増す。どのような政策を選ぶか判断が重要となる。

 気温上昇を比較的低くおさえる場合には、風力発電などの再生可能エネルギーに加えて、温暖化対策として導入すべきか議論のある原子力の活用に重点を置くことを盛り込んだ。

 このほか報告書は、運輸や産業など分野別に2030年までの対策をあげ、風力や太陽光、バイオ燃料などの再生可能エネルギーの普及、自動車の燃費改善、建築物や電化製品の省エネ性能向上などの技術を例示した。こうした今ある技術や近い将来に商業化される技術で温暖化には対応できるとしており、普及の大切さを強調した形だ。

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