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固有生物 海の中でも独自に進化―ガラパゴス 「楽園」の光と影・5

2007年05月28日17時07分

 ナイフのようにとがった奇岩が目を引く無人の島、バルトロメ島にやって来た。

写真海中で小魚の群れを追うガラパゴスペンギン=ガラパゴス諸島バルトロメ島で、恒成利幸撮影

 水中メガネとシュノーケルをつけて海中へ。赤道直下なのに、海水はひんやり冷たい。

 海面を泳いで奇岩の裏側へ回り込むと、岸辺の黒い溶岩の上に、ペンギンが見えた。背の高さは40センチ弱。世界でここにしかいない固有種「ガラパゴスペンギン」だ。

 波打ち際に立ちつくしたまま、天を仰いでウー、ウーと2回、もの悲しい声で鳴いた。

 サンタクルス島の沖合では、空気タンクを背負って潜水した。水深20メートルの砂地で、大きな目をしたホウボウ類の海水魚に出会った。全長約30センチ。ヒレを足のように使って海底を歩く。こちらも固有種だ。

 ガラパゴスの固有生物は、陸だけでなく海の中にもかなりいる。

 海藻類の39%、130種は、ここでしか見られない。サンゴ類は45%、海綿は56%が固有のものだ。

 ダーウィン研究所のアレックス・ハーン博士(32)は「大陸から遠く離れたこの島では、定着した生物が、海の中でも独自に進化した。世界の海はつながっていて、どこも同じ種類の生物がいると思われがちだが、それは違う」と説明する。

 ガラパゴスの海には、南から冷たいペルー海流、北から暖かいパナマ海流、西から深海のクロムウェル海流が入り込む。海中の環境は変化に富み、南方系と北方系の生物が共存している。

 ガラパゴスペンギンは、寒冷な地域にいた祖先が、ペルー海流に乗って来たと考えられている。現在は、70年代に比べると半分以下で、千羽前後しかいないとの試算もあり、絶滅が心配されている。高い海水温でエサの魚が減る大型のエルニーニョ現象が、82〜83年、97〜98年と続いたのが主な原因だ。

 地球温暖化が今後、エルニーニョ現象の発生にどう影響するかは研究途上だが、世界自然保護基金(WWF)は最近まとめた報告書で「気候変動によって将来エルニーニョ現象が強く現れるようになれば、ガラパゴスペンギンの減少に拍車がかかり、絶滅の危機が高まる」と指摘している。

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