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観光客増え、ごみの山 ―ガラパゴス「楽園」の光と影・3

2007年05月28日17時05分

 巨大なゾウガメやウミイグアナがすむ“秘境の島々”――。ガラパゴス諸島を、そんなふうに思い描いてきた観光客は、サンタクルス島に足を踏み入れたとたん、度肝を抜かれる。

写真港に面したレストラン。停泊中の観光船の間をぬって走る水上タクシーが、観光客を運んでくる=ガラパゴス諸島サンタクルス島で、佐藤慈子撮影

 真っ黒なアスファルトで舗装された幅10メートル近い道路が、広大な林を分断するように一直線に延びている。そこを、時速100キロ近い猛スピードで、タクシーがビュンビュン通り過ぎてゆく。

 島の中心地プエルトアヨラ。以前は1台もなかったタクシーが約100台に増え、インターネットカフェも10軒ほど出現した。

 船乗りとして35年間、島で暮らすセサル・ミテさん(56)は「世界遺産になって島はすっかり変わった。観光クルーズ船は以前の4倍。大勢の人が押し寄せれば、それだけ環境への負荷も増える」と心配する。

 空港には毎日、複数のジェット機が発着し、年間12万人を超す観光客を運び込む。ガラパゴスの人口も、大陸からの移民や自然増で2万7千人余りと、90年の倍以上に急増。人口が集中するサンタクルス島では、ごみ問題や水質汚染が深刻だ。

 下水道の整備が進んでおらず、垂れ流された生活排水が地下水を汚染。日本の国際協力機構(JICA)の現地事務所は、水道水から基準を超える大腸菌を検出した。

 昨年4月、ごみ問題の改善に向け、ガラス瓶などのリサイクル施設が本格稼働を始めた。しかし、サンタクルス市の環境コンサルタント、ウルフ・ハーターさん(38)は「分別すべきごみのうち、リサイクルできているのは3割止まり。市は今も、ごみの野焼きを続けている」と打ち明けた。

 その現場は、観光客を乗せたタクシーが行き交う縦断道路から脇道へそれ、車で2分ほど行った林の中にあった。

 幅20メートル、奥行き100メートル。段ボールや野菜くず、魚の骨、空き缶、電球がごちゃ混ぜに燃やされ、煙が異臭を放つ。

 周辺は、聖なる木と呼ばれるパロサントの緑があふれ、固有種の鳥ダーウィンフィンチが飛び交う。ごみの山は、いかにも不似合いな光景。しかし、これもまたガラパゴスが直面する現実だ。

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