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サンゴ襲う「白い死線」 沖縄や豪州などで被害

2007年06月25日00時34分

 地球温暖化に伴って白化現象が進み大きな被害が予測されるサンゴ礁に、新たな脅威が広がっている。「ホワイトシンドローム」と呼ばれる病気で、オーストラリアや沖縄など世界各地のサンゴ礁で見つかった。発症したサンゴのほとんどが1年以内に死ぬという。原因は不明だが感染症の一種とみられる。この病気は今後、白化によるサンゴの減少に拍車をかける恐れがある。

写真サンゴの表面に白線が現れ、やがて死滅する「ホワイトシンドローム」。白線右側の褐色の部分はまだ生きているが、左側は死んで黒い藻類に覆われている=沖縄県・慶良間諸島で

 沖縄県・慶良間諸島。水深11メートルにある直径2メートルほどのテーブルサンゴに、真っ白な帯が浮き出ていた。運動場に引く白線のように目立つ。

 サンゴ礁の生態系に詳しい入川暁之(いりかわ・あきゆき)・慶良間海域保全連合会参事らが昨秋、同諸島・安室島沖で行った調査では、発症したテーブルサンゴは約3割に上った。白い帯はサンゴの表面を1カ月に平均20センチ移動し、じわじわと死滅させる。

 白化現象の場合、水温の低下などで回復することもある。一方、ホワイトシンドロームは肉がはがれて骨格がむき出しになり、回復は望めない。

 石垣島と西表島の間に広がる日本最大のサンゴ礁海域、石西(せきせい)礁湖(しょうこ)でも03年ごろから多数見られるようになった。環境省の調査では、123カ所のうち113カ所で確認。豪州のグレートバリアリーフやカリブ海、マーシャル諸島からの報告もある。

 米豪の研究チームは98〜04年、1500キロにわたってグレートバリアリーフを調査。海水温が平年より1度以上高く、サンゴの集中する場所で多発することが分かった。

 サンゴの病気は、この10年、種類、数ともに急増している。「サンゴの腫瘍(しゅよう)」と呼ばれる骨格異常も、03年ごろから報告が相次いでいる。日本サンゴ礁学会の有志らは22日、環境省に緊急調査をするよう申し入れた。

 入川さんは「慶良間諸島の場合、今のペースで病気が拡大すると、あと10年でほとんどのテーブルサンゴが死んでしまう」と危機感を募らせている。

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