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温室ガス、EUと米・加11州が排出量取引共通化

2007年10月30日00時40分

 欧州連合(EU)と米カリフォルニア、ニューヨーク両州など米カナダ11州は29日、温室効果ガスの排出量取引市場の共通化を目指すことで合意し、リスボンで政治宣言に署名した。排出量取引で先行するEUに米国などの有力州が合流する形で国際的に共通な市場作りを主導する。欧米の連携で国際取引市場の整備が一気に進めば、排出量取引に消極的な日本が影響を受けるほか、国別削減計画を議論する「ポスト京都」交渉にも一石を投じることになる。

 今回合意したのは「国際炭素行動パートナーシップ」(ICAP)。ノルウェーやニュージーランドと、米ニュージャージー州、カナダのブリティッシュコロンビア州なども署名に加わった。

 参加者らは政治宣言で、取引市場設置の取り組みが温暖化防止政策にとって決定的な要素になると主張。二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出枠を各企業に割り当てて余剰と不足を売買する排出量取引「キャップ・アンド・トレード方式」を協力して進める方針を明言した。EUは05年から、同方式を使って取引を始めている。

 EUは今後、同方式を土台に米やカナダの10以上の州が参加する取引市場の整備を支援。取引ルールを共通化することで、将来は国境を越えてそれぞれの市場で売買できるようにする。

 今回参加した米各州には、米国の主要企業の多くが立地する。カリフォルニア州は米西部とカナダの州と、ニューヨーク州は東部の州とそれぞれ排出量取引市場の整備を進めており、今回の合意は、欧州と北米を実質的に網羅する排出量市場の創設につながる可能性が高い。

 EUは26日、ノルウェーとアイスランド、リヒテンシュタインとの間で排出量市場の共通化で合意し、この分野で主導権を握る姿勢を強める。

 米ブッシュ政権は、EU型のキャップ・アンド・トレード方式について「企業活動を制約する」として消極的だ。EUや米各州は「ブッシュ後」をにらんで国際市場づくりに動き出した。

 日本では産業界がキャップ・アンド・トレードに反発し、各企業が排出の削減目標を自主的に定める「自主行動計画」に基づいて削減を進めている。だがEUと、米、カナダの有力州が手を結ぶことで、キャップ・アンド・トレードが事実上の「国際基準」になる公算が大きい。

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