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アマ側から要求も…「監督、長くやるほどおいしい」

2007年04月05日11時48分

 「ほとんどの球団が裏金をやっている。契約金の上限も2億円が相場のようだ」。プロ球団のスカウトの一人が明かす。

 このスカウトは、アマチュア側にも問題はあると指摘する。「謝礼はもらっているよ。彼らだって長く監督をやればやるほど、おいしい思いをするんだから」

 「プロに行かせれば1000万円はもらえる」。学生野球の著名な監督が話したことがある。別の有力大学野球部の監督は「選手には変な小細工をせずに指名された球団に行けと指導する。だが、ある球団スカウトから『そういうことを話すと、契約金が少なくなりますよ』と言われたことがある」と話す。選手をスカウトするため高校に接触した際には「4年後にあるプロ球団に行く話になっている。その絡みで別の大学への進学が決まっている」と断られたこともあったという。

 西武の調査委員会の報告で、アマチュア側からも金品を要求していた事実が明らかになった。日本高校野球連盟の田名部和裕参事は記者会見で「驚くようなことがたくさん書かれている。アマチュアサイドとしては非常に遺憾な内容だ」と戸惑いの表情をみせた。

 プロ側も、西武側が明かした新事実に対応し切れていない。根来泰周コミッショナー代行は午後3時すぎに、東京都内のコミッショナー事務局で太田秀和球団社長から報告を受けた。「十数枚の報告書なので、まだ読み切れていない。よく検討してみないと分からない」と話すと、西武が会見を開いている時間に事務局を後にした。西武の会見後に応じた電話取材では、「西武からの最終報告書を待って吟味したい」と話すだけ。パ・リーグの小池唯夫会長も歯切れは悪く、「倫理行動宣言以前の件は反省材料として、球界全体としてエリをただしていかないといかん」と言うにとどまる。

 04年に一場問題でオーナーを辞職した巨人の渡辺恒雄会長は「(一場問題の時)阪神と横浜もやってることは知らなかったし、おれは他球団のことは言わなかった。(いまの西武が)よそのことを言う資格はない。非常識だ」と厳しい口調だ。

 一場問題を契機に出された倫理行動宣言では、以前のことは不問にされた。セ・リーグ球団の幹部も「(宣言は)以前はともかく、これからは絶対……、という趣旨だったと理解している」と、宣言以前の裏金が公表されたことに戸惑う。ただ、当時、きちんと調査せずに済ませてきたプロ側の責任も免れない。

 プロ野球選手会の宮本慎也会長(ヤクルト)は「希望枠が撤廃されて、いい方向に一歩踏み出したところで。残念でしょうがない」と表情を曇らせた。裏金問題はドラフト制度だけでなく、契約金上限に関する申し合わせなど、曖昧(あいまい)な点が要因になっていると指摘。昨年、ドラフトでの裏金問題を指摘したことのあるロッテのボビー・バレンタイン監督は「非難を集中させるよりも、これから先に同じことが起きないようにすることが大事」と制度の整備を促す。楽天の野村克也監督は「この際だから徹底的にやればいい」と、膿(うみ)を出し切った方がいいとの考えを示した。

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