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伊藤長崎市長、銃撃され重体 容疑の暴力団員逮捕

2007年04月18日03時04分

 17日午後7時50分ごろ、長崎市の伊藤一長(いとう・いっちょう)市長(61)が、JR長崎駅前にある同市大黒町の選挙事務所前の歩道で、短銃を持って待ち伏せしていた男に背後から数発撃たれた。右背中から心臓にかけて2発が撃ち込まれており、心肺停止状態で長崎大学付属病院に運ばれた伊藤市長は、人工心肺装置などで集中治療を受けているが、病院関係者によると「厳しい状態」だという。長崎県警は男を殺人未遂の疑いで現行犯逮捕するとともに、所持していた短銃1丁を押収した。長崎市では90年1月、当時市長だった本島等氏(85)が長崎市役所玄関前で右翼団体の男に短銃で撃たれ、重傷を負う事件があった。

写真伊藤一長・長崎市長が撃たれた選挙事務所前を調べる捜査員=17日午後8時40分、長崎市大黒町で
写真市長が撃たれた選挙事務所前を調べる捜査員=17日午後8時43分、長崎市大黒町で
写真伊藤一長市長が撃たれた現場=17日午後8時17分、長崎市のJR長崎駅前で
写真統一地方選告示日に第一声をあげる伊藤一長・長崎市長=15日、長崎市内で
地図伊藤市長が撃たれた現場

 逮捕されたのは、長崎市風頭町、指定暴力団山口組系「水心会」会長代行、城尾哲弥容疑者(59)。調べに対し「伊藤市長を狙った。殺すつもりだった」と容疑を認めている。水心会は長崎市に本部があり、準構成員も含めて数十人規模。数年前に銃に絡む事件で逮捕者を出したという。

 県警は背景や動機などを追及しているが、暴力団関係者によると、同容疑者は最近、自分が所属する暴力団と関係が深い土建業者が長崎市発注の公共工事から外されていると思い込んでいた。周囲に「以前は仕事を回してきたのに、あいつ(伊藤市長)は最近、全く仕事を寄越さない。おれを相手にしていないということだ。許さない」などとも話していたという。

 また、テレビ朝日は17日夜のニュース番組「報道ステーション」で、城尾容疑者から送付されてきたとみられる伊藤市長を批判する文書の内容を報道。文書は封筒入りで長崎中央郵便局の15日付の消印があった。

 伊藤市長は、22日投開票の同市長選に4選を目指して立候補。この日は同市南端の野母崎地区などで遊説し、漁港では午後3時から地元の住民約60人を集め、「地域の特産品を売り込み、地域の活性化を図りたい」などと話した。こうした選挙運動の後に事務所に戻ったところを狙われたとみられる。城尾容疑者は当初、選挙事務所の関係者らに取り押さえられたという。

 伊藤市長が救急車に運ばれるところを目撃した男性は「ぐったりとして、何度も人工呼吸をしていたが、ぐったりとしたままだった。腹部が血のようなもので汚れていた」と話した。

 県警によると、伊藤市長の警備は本人からの要請がなかったため、特別にはしておらず、脅迫や嫌がらせなどの相談を受けたこともなかったという。

 伊藤市長は自民党の市議、県議を経て95年4月、「平和市長」として知られていた本島等氏の5選を阻んで初当選した。長崎市初の原爆投下後生まれの市長で、初当選直後までは「平和行政は、国がやるべき仕事。地方自治体が口出しすべきではない」と話していたが、就任後は平和行政に積極的に取り組み始めた。

 当選から半年後には、オランダ・ハーグの国際司法裁判所大法廷に立ち、「核兵器使用は国際法に違反している」と証言。その後も、毎年8月9日の平和宣言で世界に向かって核廃絶を訴え続けてきた。

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