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死亡の小河原さん、家族連れに座席譲る コースター事故

2007年05月09日11時23分

 大阪府吹田市の遊園地「エキスポランド」でジェットコースターが脱線し、20人が死傷した事故で、2両目に乗っていて死亡した小河原良乃(こがわら・よしの)さん(19)=滋賀県東近江市=が、事故車両に乗り込む際、後ろに並んでいた家族連れの乗客に座席を譲っていたことが府警の調べでわかった。乗車直前、順番待ちをしていた小河原さんら同僚6人のグループが親子3人を先頭車両に乗せてあげようと気を配った結果だった。

イラスト乗車位置

 調べによると、小河原さんは事故当日の5日朝から、滋賀県東近江市の玩具メーカーの同僚5人と、レンタカーを借りてエキスポランドを訪れていた。事故を起こした「風神雷神(ふうじんらいじん)2」は人気アトラクションだったため、事故前の正午ごろには順番待ちの行列ができていた。

 午後0時45分ごろ、小河原さんと同僚1人が、直前の運行を終えてプラットホームに戻ってきた風神(6両編成)の先頭車両に乗り込む直前、後ろに父親と娘2人の親子連れが並んでいることに気付いたという。

 1両は4人乗り。小河原さんら2人が先頭車両に乗ってしまうと、親子連れが先頭車両と2両目に分かれて乗らざるを得なくなった。親子連れの後ろには、小河原さんら2人と一緒に訪れた同僚4人が並んでいた。このため、小河原さんら2人が順番を乗車直前に譲り、グループ6人は親子連れに続いて、まとまって2両目の前列から3両目前列にかけて乗ることにしたという。

 小河原さんが2両目前列の左側に、重傷を負った同僚の古川小百合さん(20)が同じ車両の後列左側に乗り込んでコースターが出発。約150メートル走行した地点で、小河原さんの席の下にある2両目前部の車軸の先端が折れて、左右のレールを傷つけながら、急降下や旋回を続け、約680メートルの地点で車軸で固定されていた車輪のユニットが脱落した。

 さらに2両目の車両が左に大きく傾いたまま約35メートル進み、点検用通路の手すりに接触。小河原さんは頭を挟まれて即死し、古川さんは頭を強く打って重傷を負った。

 席を譲ってから約3分後の惨事だった。

 小河原さんが勤務していた玩具メーカーの上司、松本泰明さんは「6人はいつも一緒に遊びに行く仲の良いグループで、マナーも本当によい女性たち。小河原さんは後輩の面倒見もよかった。彼女なら親子連れに席を譲ってあげたこともわかる」と話し、その死を悼んだ。

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