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定期検査制度を厳格化 コースター事故受け国交省が方針

2007年05月08日08時01分

 大阪府吹田市のエキスポランドで起きたジェットコースター死傷事故と東京都港区の六本木ヒルズ・森タワーで4月に発生したエレベーター火災を受け、国土交通省は、遊戯施設やエレベーターの定期検査報告制度の見直しに着手する。ずさんな検査が横行し、報告を受けた自治体も見抜けない実態が浮かび上がったことから、検査方法の厳密化や自治体のチェック強化に向け、制度のあり方を検証することにした。

 10日に開く国交相の諮問機関の建築物等事故・災害対策部会で、有識者らに検討を求める。

 ジェットコースターや観覧車のような遊戯施設と、エレベーターやエスカレーターなどの建築設備は、利用者の安全確保のため、建築基準法で年1回以上の定期検査報告が義務づけられている。

 だが、エキスポランドも六本木ヒルズも、直前の定期検査で「良好、指摘なし」の評価だったにもかかわらず、車軸破断やワイヤ破断といった重大な損傷が起きた。

 遊戯施設や建築設備の安全について、建築基準法や政省令は点検方法を詳細には定めていない。国交省は法令とは別に日本工業規格(JIS)を各分野で制定し、具体的な方法を示している。

 エキスポランドの事故で直接の原因となった車軸の部分は、遊戯施設のJISで、超音波や磁気で傷の有無を調べる「探傷試験」を年1回以上行うよう定められている。

 だが、同ランドを運営するエキスポランド社は1月に定期検査をしたものの、車軸の探傷試験をせずに「指摘なし」との報告書を吹田市に提出していた。同社は事故直後、「探傷試験は自主的なもの」と説明していたが、7日になって「JISの規定を知らなかった」と釈明。国交省の安富正文事務次官は同日の定例会見で「JISに基づいて検査せず、不適切」と同社を批判した。

 六本木ヒルズで火災が起きたエレベーターも、保守会社がワイヤのさびや汚れを放置し、JIS違反の疑いがある。

 ただ、国交省によると、JIS順守は必ずしも義務でなく、「JIS違反がただちに違法とは限らない」という。こうしたあいまいさが、現場の誤解と検査の不徹底を招いている恐れがある。

 一方、自治体のチェックも形骸(けいがい)化している疑いが強い。

 エキスポランドの定期検査報告について、吹田市は7日、市で現場チェックをしていないことを明らかにした。報告書への検査結果のデータ添付も求めていなかった。

 同市の定期検査報告の対象は、エレベーターやエスカレーターも含め1000件を超えるという。市は「市独自に再確認する余裕はない。報告を信じるほかない」と話す。

 二つの事故で、検査基準のあいまいな位置づけと自治体のチェック能力欠如が浮かび上がった。国交省は対策部会で会合を重ね、改善策を検討する方針だ。

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