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「探傷規定知らなかった」 コースター調査で施設側の声

2007年05月23日20時07分

 「絶叫マシン」の安全性はどう確かめたらよいのか。大阪・エキスポランドのジェットコースター事故をきっかけに国土交通省が23日まとめた調査で、車軸の亀裂などを調べる「探傷試験」を設置以来一度もしていないコースターは全国72基にのぼった。施設側からは「(基準を)知らなかった」「問題ないと思っていた」という声が相次いだ。

◇21年未試験の施設も

 日本工業規格(JIS)の「遊戯施設の検査標準」には「車輪軸は年1回以上の探傷試験を行う」と書かれている。しかし、そのことすら知らない施設が多かった。

 エキスポランドの事故機と同じメーカーの立ち乗り型コースターがある岡山県倉敷市の「鷲羽山ハイランド」は、JISの規定について「知らなかった」(広報担当者)と言う。4基のうち2基は86年5月の設置。21年にわたり探傷試験をしていなかったことになる。

 同園では過去3回、業者のアドバイスで車軸を新品に交換した。現在は点検のために運行を中止している。「金属疲労には交換が最も効果的。毎年、法定検査を市に届け出ていたので問題ないと思っていた」と担当者。

 秋田県男鹿市の「ファンタジア男鹿」の遊具を管理するアルノ(秋田市)の担当者によると、同社のモノレール型遊具について、年に1回の検査項目の一つに「探傷試験」の記述があった。ところが完了をチェックする欄には、初めから斜線が引かれていたという。「だからやらなくてもいいと思っていた」と担当者は話す。

 北海道の帯広市動物園の大西正典園長も「JISに基づく探傷試験の義務は知らなかった」と言う。2基ある施設のうち1基は79年設置。点検業者から「目視やハンマーによる検査で異常があった場合のみ探傷試験をやればいい」と説明を受け、納得したという。

 第三セクターが管理運営する北海道湧別町の「ファミリー愛ランドユー」の担当者も試験義務自体を知らなかった。20日から急きょ、該当機を休止して試験を始めた。

 エキスポランドは7日の記者会見で、探傷試験について「施設設置以来、JISに定められていたことを知らなかった」と話していた。

◇首都圏の遊園地 温度差

 首都圏の遊園地の対応は――。

 東京都台東区の浅草花やしきでは、4月8日の始業前点検で、コースターの車輪の一部に亀裂が見つかった。その場で部品を交換し、運行を続けた。5月8日からの緊急点検でも、別の車輪の一部から亀裂が見つかり、やはり部品を交換したという。23日から運行を再開している。

 担当者は「傷があったからといって直ちに事故につながる危険があるとは限らない。部品交換後の探傷試験でも問題ないとの結果が出ており、自信をもって安全といえる」と話す。

 東京都文京区の東京ドームシティアトラクションズは、調査対象5基のうち、大型コースター「サンダードルフィン」で探傷試験を先延ばししていた。

 約80メートルの高さから約80度の傾斜を最高時速130キロで滑り降りる。例年2月に外部の検査会社に委託して実施していたが、気温などの面で条件の良い春に変更するため、今年は6月に延期していたという。運営会社は「年1回以上の実施というJISの規定は知っていた。年内の実施であれば間隔が1年を超えても問題ない、という認識でいた」と話す。

 エキスポランドの事故を受けて5基の運転を一時休止したが、緊急点検で安全を確認。サンダードルフィンも18日から運転を再開した。

 千葉県浦安市の東京ディズニーリゾートでは、「スペース・マウンテン」など計七つのコースターをそれぞれ年に1度運休し、JIS基準に従って試験している。

 運営するオリエンタルランドによると、社内の技術者が探傷試験に先立ち、車両を分解して損傷などを確認する。その後、委託した専門業者が、磁石や超音波を用いて調べているという。

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