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松岡農水相の自殺、参院選控え安倍政権に打撃

2007年05月29日01時34分

 自殺を図った松岡利勝・農林水産相は28日午後2時に死亡が確認された。これを受けて安倍首相は「任命権者だから当然、総理として閣僚の行動に責任を感じている」と自らの任命責任に言及、松岡氏をかばい続けてきた首相の政権運営に影響が及ぶのは必至だ。朝日新聞が松岡氏の自殺前の26、27両日に実施した世論調査では内閣支持率が36%に急落し、発足以来の最低を記録。ずさんな年金記録管理の問題に加え、松岡氏の自殺で「政治とカネ」にまつわる不明朗な印象が強まるのは避けられず、参院選を前に安倍政権は厳しい局面に立たされている。

写真亡くなった松岡農水相と対面後、慶応義塾大学病院を出る安倍首相=28日午後3時15分、東京・信濃町で

 安倍首相は28日夜、首相官邸で記者団に「農業改革に熱心に取り組んでいただいただけに、本当に残念だ」と語り、無念さをにじませた。

 「農政に必要な人材」という首相の評価は、松岡氏への辞任要求や与党内の内閣改造要求をかわす理由であるとともに、閣僚を守る姿勢が政権の求心力維持につながるとの思いがあった。

 松岡氏の疑惑が浮上した際、周囲に支持率低迷の原因だと指摘された首相は「だから(政治資金の)透明性を高めるようにしたらいい」と反論。政治資金規正法改正案の今国会提出の道筋をつける一方で、松岡氏を守り続けた。その背景には、昨年末に佐田行革担当相を辞任させて内閣の求心力低下を招いた「教訓」(側近)がある。

 こうした強気の政権運営で内閣支持率は4月以降、上昇局面に転じ、最近は「半年たったころから、だんだん仕事に慣れてくることもあった」と余裕すら見せていた。

 だが、現職閣僚の突然の自殺という事態は、年金記録のずさんな管理問題で内閣支持率が急落する中、政権イメージの悪化につながるのは確実だ。23日の衆院予算委員会での「政治とカネ」をめぐる集中審議で、首相は野党からの責任追及に防戦一方になりながらも松岡氏を守ったばかり。その松岡氏を失ったことは、これまでの強気の政権運営の破綻(はたん)を示すとともに、首相の任命責任が問われる可能性が強まったことを意味する。

 朝日新聞の連続世論調査では、松岡氏の政治資金をめぐる問題について「国会はもっと解明に取り組むべきだ」と80%が回答。ずさんな管理が問題化した「年金」への関心も根強い。

 年金問題では当初、野党側の追及に「与党は3分の2の議席があるから押し切れる」(首相周辺)との見方も根強かったが、局面は変わった。首相は「できることはすべてやるように」と指示するなど、強気の政権運営から一転、焦りも見せ始めている。

 「政治とカネ」の問題では「野党も攻められなくなるだろう」(政府高官)と幕引きを図る声も出ているが、野党は追及する姿勢を崩していない。「松岡さん個人の問題に帰することなく襟を正す」と語る首相の対応が、参院選への影響に直結する可能性がある。

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