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宙に浮いた年金、名古屋市で64%解決 独自調査実る

2010年1月6日16時47分

 河村たかし市長の音頭取りで始まった名古屋市独自の「宙に浮いた年金記録」の調査で、同市が調査を担当した802件のうち、64%にあたる515件の年金記録の持ち主が判明したことが明らかになった。市が把握している国民健康保険加入者などの電話番号が、割り出しに役立ったという。厚生労働省は、名古屋市の調査をきっかけに全国の市町村に電話番号などの情報提供を要請し、1181の市町村が協力予定という。河村市長は「名古屋が実現した大ヒット」と胸を張る。

 河村市長は昨年9月、社会保険庁(当時、現・日本年金機構)のずさんな管理で持ち主不明となった「宙に浮いた年金記録」を市独自に調査することを表明。「ねんきん特別便」など旧社保庁の調査で確認が取れなかった市内在住の年金受給者約1400人、4千件を対象に、市が独自に把握している国民健康保険加入者などの電話番号を基に調査に着手した。

 この絞り込みで、4千件中1083件の連絡先が判明。このうち、同市担当分の802件(残りは旧愛知社会保険事務局が担当)について10月中旬から、市職員が、本人の年金かどうかを電話や訪問で確認していた。

 同市の独自調査は、河村市長の選挙公約の一つ。河村市長の当選後、市は旧社会保険事務局と調査方法などを協議して効果的な調査方法を探った。日本年金機構によると、旧社保庁側は電話番号の情報がないうえ、古い住所しか把握していない例が多かった。電話帳の登録者をもとに電話番号を割り出したが、判明率は約4割。市側に電話番号や新しい住所に基づく調査を依頼したことが、新たな判明につながったという。

 市健康福祉局は「判明率が高いか低いかは、初めてのこともあり、わからない」としながらも、「電話や訪問で直接、確認できたことは大きな効果」とみる。一方、日本年金機構中部ブロック本部の担当者は「(電話番号などは)個人情報のため、旧社保庁側から自治体に情報提供などの依頼はしづらかった」と説明している。

 厚労省によると、名古屋市の成功例を受け、長妻昭大臣の指示で昨年11月、全国の市町村に電話番号や住所などの情報提供を呼びかけた。同省年金局は「旧社保庁だけの調査では限界があった。協力してもらえる自治体が広がり、大変ありがたい」と話している。(塩原賢、寺西哲生)

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