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幹部個人の責任不問 年金記録問題 検証委報告が判明

2007年10月27日18時35分

 社会保険庁のずさんな年金記録管理の原因や責任問題を調べる総務省の「年金記録問題検証委員会」(座長・松尾邦弘前検事総長)が、来週中に発表する最終報告で、歴代の厚生・厚生労働相や社会保険庁長官の個人責任を明記しないことが27日、分かった。歴代閣僚・長官の監督責任を一体として問う形をとる。5000万件に及ぶ「宙に浮いた年金記録」などを招いた責任追及が検証委設置の主な目的だっただけに、責任の所在があいまいな結論には批判も出そうだ。

 最終報告は、社保庁が一人ひとりの記録を一貫して管理する姿勢に欠けていたことや、本人の申し出がなければ記録を確認しない申請主義などが記録問題の直接的な原因となったと指摘。宙に浮いた年金記録のサンプル調査結果、消えた年金記録の一因とされる職員らによる横領問題、「三層構造」と呼ばれる社保庁独特の閉鎖的な人事システムや組合問題などにも言及する。約30ページの本文のほか、約700ページに及ぶ資料編で構成されている。報告書は来週半ばにも公表する見通し。

 検証委の議論では、入力ミスが多発した年金記録の紙台帳からコンピューターのオンラインシステムへの切り替えについて、当時の社保庁長官の責任を明確にするべきだとの意見も出た。だが、オンライン化は79年から89年まで段階的に進められており、「責任のある長官を特定するのは現実的には困難」との意見が大勢を占めた。

 また、名前や生年月日の欠けた記録をどう入力するのか、社保庁とシステム開発業者との間で検討した経緯が分かる当時の資料が一部を除き残っていないことも判明。責任者の判断や不作為が記録の管理にどのような影響を及ぼしたのか、十分に検証できなかったという。

 このため、1942年の年金制度発足以来、長年にわたる記録管理の不備が背景にあり、「個人の責任は限定できない」として、個人の名前を挙げる形で責任を問うのは難しいとの認識で一致。歴代長官は記録管理の直接の監督責任があったこと、歴代の厚相・厚労相、事務次官は、定期的な報告を求めるなど現状把握の努力を怠ったことを問題視し、「いずれも重い責任がある」と結論づけた。

 ずさんな年金記録問題の責任については、安倍前首相が5月末、「歴代社保庁長官の責任を明らかにする必要がある」と発言。6月に設置された検証委に対して、96年の基礎年金番号の導入決定時に厚相だった菅直人氏や、97年の導入時の厚相、小泉元首相ら閣僚を含めた幹部らの責任追及を求めていた。

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