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年金571件、領収書で回復 行政側には記録なし

2008年01月07日10時00分

 国民年金の加入者が保険料の領収書などを保管しているのに、社会保険庁のコンピューターと市町村の管理する紙台帳に一切記録されていない事例が、571件にのぼったことがわかった。社保庁は春以降、これらの「消えた年金」対策でコンピューター上の記録と紙台帳の照合を本格化させるが、それだけでは回復できない記録が大量にある可能性を裏付けた。

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「消えた年金」の記録回復の流れ

 571件は、06年8月〜07年6月に社保庁が受け付けた年金相談で判明した。加入者は保険料の領収書や年金手帳に残された納付記録という「直接証拠」を示して記録を訂正、回復したが、社保庁のずさんな管理が改めて浮き彫りになった。

 年金記録問題には、持ち主不明で「宙に浮いた年金」5000万件と、今回の571件などの「消えた年金」がある。「宙に浮いた」分は記録自体はコンピューター内にある。一方の「消えた年金」は、本人の申し出がないと「だれのどの記録が消えているか」を特定するのは困難で、実態把握できていない。

 社保庁は以前から「直接証拠」による記録訂正に応じていた。ただ、その件数は把握していなかったため、06年8月から統計を取り始めた。571件は、07年6月までのわずか10カ月間に受け付けた約398万件の年金相談で判明した分だ。

 相談件数は07年9月末では587万件になり、今後も増える見通し。このため、「直接証拠」があるのに行政側に保険料納付記録がまったくない事例がさらに増えるのは確実だ。記録確認を求めて政府が先月から発送を始めた「ねんきん特別便」でも、加入者の加入歴返送を通じて新たに判明する可能性が高い。

 「消えた年金」の記録回復には現在、二つの方法がある。一つは年金相談などで「直接証拠」を社会保険事務所に示して訂正させる。571件のケースだ。

 これとは別に、07年6月に設置された総務省の年金記録確認第三者委員会では、大半のケースで家計簿、確定申告書、預金通帳などの「状況証拠」に基づき年金記録の回復の可否を判断。「保険料を納めていた」と回復を認めたのは07年12月26日までで772件。

 「直接証拠」「状況証拠」の両方を合わせると消えた年金は1343件が回復したことになる。

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