社会保険庁がコンピューターで管理している厚生年金の加入記録と原簿(紙台帳)を照合したところ、入力ミスが1.4%あったことが27日分かった。原簿の記録約4億件のうち2万件を抽出して調べた結果で、単純計算で受給漏れの恐れがある入力ミスは約560万件に上ると推計される。
27日午前にあった「年金記録問題に関する関係閣僚会議」に報告された。基礎年金番号と未統合で持ち主が不明の「宙に浮いた年金記録5千万件」とは別の問題で、今回は基礎年金番号と統合済みの記録にも誤りが見つかった。ずさんな記録管理で、受け取る年金が本来より少ない受給者が多数いると見られる。
厚生年金の記録管理は当初、紙台帳だったが、62年ごろから順次コンピューター化された。コンピューターで管理されている記録は約6億8千万件あるが、一部重複を除くと約4億件分になる。
抽出した紙台帳の記録1万9979件のうち、コンピューター上の記録と一致しなかったのは277件。コンピューターに未入力だったのが0.2%、年金支給額を決めるための基礎情報である加入期間や過去の収入などが間違っていたのが1.1%、名前や生年月日、性別が間違っていたのは0.1%。
社保庁は「時間とカネがかかる」として、すべての記録の照合は当面しない方針だ。09年度までに、国民年金を含めて約8億5千万件分ある紙台帳を画像ファイル化し、基礎年金番号で検索できるシステムを作る。10、11年度に、記録確認の申し出があった人の分だけ照合する。社保庁によると、申し出があった人の分を照合した場合の費用は140億〜260億円。すべての記録を照合した場合は最高で費用は3300億円、作業は10年かかるという。
舛添厚労相は記録問題について「社保庁の後継組織ができる時(10年1月)には解決する決意」としていたが、作業が10年度以降も続くことで公約達成は不可能となった。
また、閣僚会議では、「宙に浮いた年金記録」対策の進捗(しんちょく)状況も報告された。3月14日時点で2025万件あった未解明記録は91万件減って1934万件になった。(高橋福子)