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偽ミンチ、内部告発を1年余放置 農政事務所

2007年06月21日20時56分

 北海道苫小牧市の食品加工卸会社「ミートホープ」が偽の牛ミンチを出荷していた問題で、農林水産省北海道農政事務所が06年春、同社元役員から内部告発を受けていたことがわかった。元役員らは偽の牛ミンチを持参して不正を訴えたが、農政事務所の動きは鈍かったという。告発は事実上放置され、結果的に偽牛ミンチの広がりを1年余り防げなかった。

 同省や農政事務所は不正の疑いを把握した場合、調査して必要ならば是正する立場にある。

 告発した元幹部によると、昨年4〜5月、苫小牧市内にある農政事務所の出先機関を2回にわたって訪れ、「ひき肉にする際、豚肉などを混入し、不正が行われている」などと説明。各回とも豚肉の混じった牛ミンチを示し「これが証拠だ。調べればわかる」と調査を要請したという。

 しかし、職員らからは突っ込んだ質問をされず、提示した肉も受け取ってもらえなかった。農政事務所側から、その後は接触もなかったといい、元幹部は「ほぼ門前払いの形だった」と憤っている。

 一方、ミート社の田中稔社長によると、農政事務所職員が今年3月と5月の2回、同社を訪れたという。しかし、業務に関する一般的な質問が主で、内部告発を受けた形の調査や改善指導などはなかったという。

 消費者の食への関心の高まりを受け、同省は近年、食品への監視活動強化を掲げている。「食品表示110番」や「食品表示ウオッチャー」などの制度も設け、一般消費者からの通報も積極的に呼びかけている。

 偽の牛ミンチの使用が明らかになったのは北海道加ト吉が製造した日本生活協同組合連合会(東京都渋谷区)の「牛肉コロッケ」。ミート社によると、「牛ミンチ」の出荷先は北海道加ト吉を含めて約16社。それらの製品は、スーパーやコンビニ、ホテルなどに出荷されている。

 農水省表示・規格課の説明によると、農政事務所は06年2月に告発を受けたものの、担当は北海道だとして、3月24日に道担当者に資料を渡したという。これに対し、道幹部は同省からの情報提供を否定しており、見解にずれが生じている。

    ◇

 同省は22日、ミート社と関連の販売会社、豚肉の混入した「牛ミンチ」で冷凍コロッケを製造したとされる北海道加ト吉を立ち入り検査する。

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