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揺れ、設計時の想定外 柏崎刈羽原発の耐震、甘さ浮上

2007年07月17日08時03分

 新潟県中越沖地震で、東京電力柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)では、耐震設計の甘さが浮上した。設計上の想定を大幅に上回る、国内の原発で過去最大の揺れが観測され、放射能を含む水漏れも起こった。地震が起こった場所は「新潟―神戸ひずみ集中帯」とも呼ばれ、阪神大震災をはじめとする地震が、相次いで起こっている場所だ。

 放射能を含む水が漏れたとの東電の発表は午後10時すぎ。寺津邦信・原子力運営管理部長らによると、漏れた水に含まれる放射性物質の分析から、使用済み燃料棒を保管するプールから水が漏れたとみられるという。

 地震時、放射線管理区域内にあるプールから水があふれ、床が水浸しになるのは想定内のことだというが、管理区域外に漏れたことについて「約90センチの厚さの壁で遮断されているのに、なぜ漏れたのか。理由は不明だし、想定していなかった」と繰り返した。一方で、「漏れた(放射性物質の)量は、ラドン温泉に例えると約6リットルにすぎない」と話した。

 3月の能登半島地震でも北陸電力志賀原発1号機で、使用済み核燃料貯蔵プールから放射性物質を含む水45リットルが原子炉建屋内の床に飛散した。

 今回の地震では現在、原子炉などの重要機器に異状は確認されていないが、耐震設計が甘かった可能性がある。

 経済産業省原子力安全・保安院によると、国内原発で観測された過去最大の揺れの680ガル(ガルは加速度の単位)を記録した1号機のほかデータが取れた5、6号機でも想定を超えた。

 保安院は東電に詳細な調査を指示。東電は調査結果が出るまで1〜7号機のすべての運転を停止する。保安院原子力発電安全審査課の森山善範課長は「設計基準の加速度を大幅に超える揺れだ」と話した。

 今回の震源は同原発から北へ約19キロ離れた海底活断層とみられるが、東電は、これを設計時には見つけられなかった。東電は6、7号機の設置許可を申請した88年より前に海底を音波で調べ、19キロから39キロ離れた海底で4本の断層を見つけていたが、耐震設計上、活断層として考慮しなくてよいと結論づけていた。

 原子炉などの重要機器について、耐震設計では原発の敷地から10キロ以内に震源を持つマグニチュード(M)6.5の地震と、敷地から北東に12キロ離れた断層などでの地震を想定していた。

 今年3月の能登半島地震でも、北陸電力が震源付近の活断層を過小評価していた。日本原子力発電敦賀原発(福井県)も、同社と政府の地震調査委の海底活断層の調査結果が食い違っている。

 一方、地震直後、同原発の敷地内で黒煙が上がった。3号機の原子炉建屋から30メートルほど離れた変圧器から出火した。

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