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エコノミークラス症候群、6人に1人に兆候 中越沖地震

2007年07月23日20時54分

 新潟県中越沖地震で避難生活を送る418人中70人(16.7%)に、ふくらはぎの静脈に血の塊(血栓)ができる「エコノミークラス症候群」(下肢静脈血栓)の兆候があることが23日わかった。うち28人(6.7%)にはすでに血栓ができていた。新潟大医学部と国立病院機構新潟病院などの合同チームが調査した。新潟病院の中島孝副院長は「とにかく体を動かし、適切に水分をとってほしい」と呼びかけている。

 合同チームは18日から調査を開始。23日までに柏崎市内の27カ所の避難所で住民たちに超音波検査をした。ふくらはぎの静脈が広がるなどエコノミークラス症候群の兆候がある人の割合は「通常の生活を送っている場合よりかなり高い」(中島医師)という。

 血栓ができた後も体を動かさない状態が続くと3〜4日で血栓が大きくなり、肺などに詰まると命にかかわるという。予防には静脈の血液を早く心臓に戻すことが重要なため、合同チームは兆候のあった70人に締め付け圧力の高いストッキングを配布。さらに医療機関を受診して経過をみてもらうよう指導した。

 04年秋の中越地震では車中泊をした人が多く、新潟大・榛沢和彦医師らの調査では、小千谷市の避難所で検査を受けた78人中29人(37.2%)に血栓があった。2年後の検査でも血栓が残っていたり、再発を繰り返したりしている人がいた。

 中越地震に比べると今回、血栓の発生率は低い。中島医師は「夏で車中泊の人が少ないことや、保健師や医療チームによって早くから運動指導などが行われていることが影響している可能性がある」としている。

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