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天井クレーンが破損 原子炉点検、大幅に遅れ 6号機

2007年07月24日21時27分

 東京電力柏崎刈羽原子力発電所は24日、新潟県中越沖地震で被災した6号機原子炉建屋の天井クレーンが破損しているのを確認した。原子炉の真上にあり、炉の格納容器や圧力容器のふたをつり上げるための大型装置で、修復の見通しはたたないという。炉内部の容器の傷や装置の状態はふたを開けて目視で確認する必要があり、地震被害の点検が大幅に遅れることは確実だ。

写真破損した6号機天井クレーンの車輪とモーターの接合部。中央の丸い部分が破断面=東電柏崎刈羽原発提供
写真破損した天井クレーンのモーターと車輪の結合部
図原子炉建屋天井クレーンの破損箇所

 今回の地震で、原子炉建屋内の設備破損が確認されたのは初めて。東電によると、同クレーンは年に1度、定期的に点検している。地震前の点検では異常がなかったため、地震の揺れで破損したとみられる。地震発生時、クレーンは原子炉の真上にあったという。

 東電は残る1〜5、7号機の天井クレーンの点検を急いでいる。

 東電によると、装置は鉄製で、長さ約35メートルの棒状、重さ約310トン。中央部に可動式のクレーンがついており、原子炉内の点検や核燃料を交換する際、格納容器や圧力容器のふたをつり上げるために使用される。

 両端にモーターと車輪が付いており、レール上を移動する仕組み。今回はモーターと車輪をつなぐ鉄製の車軸の接合部が両側とも破損し、モーターの動力が車輪に伝わらなくなったという。

 破損の詳しい原因などは不明だが、クレーンの本体は両端がレールに支えられているため、車軸が破損しても、落下する可能性はないという。

 東電は8月半ばにも、原子炉格納容器のふたを開けて、中にある圧力容器や制御棒装置、再循環ポンプなどに地震の影響で傷がないかなどを目視で確認することを検討している。

 ただ、天井クレーンは高所に設置されているため、余震の恐れが続くと足場の設置などが難しく、修復作業は難航も予想される。修復のめどがたたない限り、作業日程の大幅な変更は避けられない見通しだ。

 一方、国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長は24日、「国際的な安全管理に関する教訓を得るには重要」と政府の調査団受け入れ決定を歓迎するとともに数週間以内に専門家チームを派遣する方向で政府と調整する考えを示した。だが、チームが来ても、炉内を確認できない可能性がある。

 天井クレーンは、国の耐震設計上の重要度はA〜CのうちのBクラスで、一般建築物の1.8倍の地震力に耐えることが求められている。過去の地震によるBクラス重要機器の損傷としては、00年に福島第一原発6号機でタービン関連の配管が破損した例がある。

 東電によると、製造時には想定していなかった事態で、同型装置を使う他の原子炉への影響は不明という。

 事態を重く見る経済産業省原子力安全・保安院は、原子炉等規制法に基づき、東電に調査結果の報告を求めている。

 ■原子炉建屋内の設備損傷は初めて

 天井クレーンは核燃料を入れた輸送用容器をつり下げるため、国の耐震設計上はA〜CのうちのBクラスと位置付けられている。国の耐震指針でCクラスは一般建築物並みの耐震力で良いとされているが、落下すると燃料破損の恐れがあるクレーンは一般建築物の1.8倍の地震力に耐えることが求められている。

 今回の地震で、原子炉建屋内の設備損傷が確認されたのは初めて。過去の地震によるBクラス重要機器の損傷としては、00年に福島第一原発6号機でタービン関連の配管が破損した例がある。

 経済産業省原子力安全・保安院では事態を重くみて、原子炉等規制法に基づいて東電に調査結果の報告を求めている。

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