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放射能漏れ公表遅れを批判、柏崎刈羽原発でIAEA

2007年08月18日12時00分

 国際原子力機関(IAEA)は17日、新潟県中越沖地震で被災した東京電力柏崎刈羽原発の調査結果をまとめた報告書を日本政府に提出、公表した。報告書は、今回の地震によって得られた教訓を生かし、原発の安全性を再評価する必要性を強調。特に周囲の活断層が原発に与える影響について慎重に検討するよう求めた。調査団長のフィリップ・ジャメ原子力施設安全部長は記者会見で、今後必要なデータが集まれば、最終評価のために、改めて現地を訪れる意向を示した。

 「予備的な調査結果および教訓」と題した報告書は「原子炉は安全に停止し、目に見える深刻な損傷はなかった」とし、緊急時の安全機能が正常に働き、被害は予想を下回るものだったとしている。だが一方で、時間的制約から施設を歩いて見て回る程度の限られた現地調査だったと指摘。最終的な結論は、なお今後の詳細な調査結果を待つ必要があるという。

 特に報告書は、今回の地震の教訓や新たな基準や方法をもとに、原発の安全性の再評価が必要になると指摘。現時点で顕在化していない亀裂やゆがみなどが長期的に運転に支障を与える可能性について警告した。また周辺の活断層について、原発直下に及んでいないか、特に注意して調査する必要があるとした。会見に出席した調査団メンバーは「原子炉の安全運転に影響を与えるような活断層があるかどうかを慎重に見きわめるべきだ」と述べた。

 また原子炉圧力容器や炉心、核燃料など、原発の安全にかかわる核心部分についての、東京電力や国の詳細な調査はまだ最終結論が出ていないことを指摘。事故の際に、安全機能が正常に作動するか、施設の老朽化が予想以上に進んでいないかなどについても、運転再開前に検査・分析する必要があるとした。

 微量の放射能を含んだ水が海に排出された事実の報告が遅れたことについては、「たとえ重大な放射能漏れでなくとも、情報伝達はより迅速に行われるべきだった」と批判した。消火設備の不備も指摘された。

 ジャメ調査団長は、原発の再開時期について、詳細な調査・分析に必要な時間や現場の状況から、「1年以上かかる」との見通しを示した。

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