現在位置:asahi.com>ニュース特集>中華航空機炎上> 記事

中華航空機、熱に弱いアルミ合金製 短時間で無残な姿に

2007年08月21日00時42分

 那覇空港で炎上した中華航空ボーイング737―800型機は、エンジン付近から出火後、短時間で機体全体に火が回り、胴体がひしゃげるように変形して、無残な姿をさらした。軽量の素材を使って燃費を向上させた最新鋭のジェット旅客機は、出火すれば火の回りが早いというもろさを抱えている。

 「航空機に多く使われるアルミ合金は熱に弱い。初期消火に失敗すればひとたまりもない」

 航空事故調査や航空機の構造に詳しい藤原洋氏(元・運輸省航空事故調査委員会首席航空事故調査官)は指摘する。

 例えば、アルミ合金の一種であるジュラルミンの場合、鉄の3分の1の重さで機体の軽量化に役立つ。しかし、約1200度で溶ける鉄に比べて熱に弱く、650度程度で溶け始める。

 中華航空機は、燃料漏れが見つかった右側エンジン付近で火災が発生し、胴体を挟んだ左側エンジン付近まで燃え広がったとみられている。

 一般に旅客機は着陸の際のトラブルを想定し、別の空港まで移動してさらに上空で数十分間、旋回できるだけの予備燃料を積んでいる。

 藤原氏は、翼内タンクの大量の航空燃料に引火し、高温で焼かれたアルミ合金が溶けたことで、船舶のような強固な柱がない機体が変形し、自重で崩壊したとみている。

 多くの空港では、普段から航空機事故を想定した消火訓練をしている。長崎空港(長崎県大村市)にある国交省の施設には、ボーイング767型機の実物大の模型の周辺から炎が上がる訓練装置がある。

 しかし、実際の火災では、いったん機体が溶けて穴が開くと、機内の手荷物や座席などに一気に燃え広がる。

 「着陸後も燃料は豊富なだけに、いったん引火すると、なかなか消火は難しい」という航空評論家もいる。

この記事の関連情報をアサヒ・コム内から検索する

PR情報

このページのトップに戻る