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燃料漏れ「相当な勢い」、風で火災拡大か 中華航空機

2007年08月21日17時18分

 那覇空港(那覇市)で中華航空機(ボーイング737―800型)が炎上した事故で、右側の第2エンジン付近からは相当な勢いで燃料漏れが起きていたことが、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調べでわかった。燃料漏れを目撃した整備士は、「ジャージャーと漏れていた」と周囲に話したとされる。この燃料漏れによって第2エンジン付近で起きた火災が風にあおられるなどして胴体や左側主翼が熱されて、爆発など被害拡大を招いた可能性が強まっている。

 調査委は21日午前、沖縄県警、台湾の事故調査当局と合同で実況見分を実施。燃料タンクとエンジンを結ぶ配管などに不具合がなかったかなどについて、詳しく調べている。

 事故機の燃料は主翼と胴体下部にある三つの燃料タンクから配管を通り、ポンプで加圧された後、両エンジンの燃焼室に送り込まれ、通常漏れ出すことはない。だが、事故機が駐機場に到着した時、整備士が第2エンジンからの燃料漏れと出火を目撃。関係者に対し、燃料漏れの様子について「ジャージャーと漏れていた」と話したといい、相当の勢いで大量の燃料が地上に流れ出した可能性が出てきた。

 航空燃料は60度程度で引火、約240度で火花などがなくても発火するため、調査委は何らかの原因で漏れた燃料が、数百度の高温になっているエンジンの排気口や排ガスの熱で発火した恐れがあるとみている。21日未明に那覇空港で記者会見した調査委の台木一成首席航空事故調査官は「燃えるものとしては一番、燃料が考えられる」と指摘した。

 また、調査委の調べでは、最初に出火したとみられる右側の第2エンジンに比べて、左翼や左側にある第1エンジンは焼け方が激しく、エンジンそのものの形が崩れかけていた。

 当時、第2エンジン側から第1エンジン方向に風速5メートル程度の風が吹き、空気は乾燥していた。調査委は、(1)風であおられた炎が胴体下部や左側主翼を熱した結果、胴体内部の燃料タンクからの燃料漏れや、爆発につながった(2)主翼内部の配管を伝わって火災が広がった(3)何らかの原因で飛び火したなどの可能性を想定。中でも風の影響が最も有力とみて、火災発生・延焼のメカニズムの解明を進めている。

 一方、調査委は右側の翼端近くから燃料が漏れているのも確認した。主翼の端が地面に接触している状態で、主翼の表面を燃料が流れた形跡がないことから、タンクの燃料が主翼内を伝って翼端から出たとみている。調査委は、事故後に主翼が折れ、内部に残っていた燃料が漏れたもので、ここからの漏れが右側エンジンの火災に直接つながった可能性は低いとみている。ただ事故機では第2エンジンとともに、少なくとも2カ所で燃料漏れが確認されたことになる。

 国交省や航空関係者によると、エンジントラブルなどの際、パイロットは操縦席で操作すれば燃料供給を遮断できる。だが、その時点ですでにエンジンの覆い(カウル)の内側や地上にかなりの燃料がたまっていれば、発火する可能性がある。いったん火災が起きて、その熱で配管やポンプが壊れれば、一気に大量の燃料が漏れ、火の勢いを止めようがなくなるという。

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