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ミャンマー外相が陳謝 高村外相抗議、「流れ弾でない」

2007年09月29日09時34分

 訪米中の高村外相は28日午後(日本時間29日未明)、ミャンマー(ビルマ)のニャン・ウィン外相とニューヨークの国連本部で会談した。高村氏は「強圧的な実力行使が行われ、日本人カメラマンが死亡するに至った。大変遺憾で強く抗議する」と述べ、反政府デモを取材中のカメラマン、長井健司さん(50)が銃撃されて死亡した事件の真相解明を強く求めた。高村氏によると、ニャン・ウィン氏は「日本人カメラマンが死んだことは誠に申し訳ない。デモは沈静化しつつあり、自分たちとしても自制していきたい」と陳謝したという。

 高村氏が会談後、国連本部で記者団に明らかにした。高村氏は国連総会での演説でも、事件を「極めて遺憾だ」と述べ、「ミャンマー政府が最大限の自制を示し、強圧的な実力行使をしないよう求め、対話を通じて事態を解決することを強く望む」と語った。

 長井さんの死亡に関し、高村氏はニャン・ウィン氏に「至近距離から射殺されている。決して流れ弾ではない。真相解明を強く求める」と述べ、治安当局が意図的に殺害したとの見方を示した。そのうえで、邦人の安全確保やデモの平和的解決、民主化プロセスの進展を求めた。

 これに対し、ニャン・ウィン氏は射殺については肯定も否定もせず、「このデモは国連総会の時期を狙った、外国の人たちによって組織されたものだ」と述べたが、高村氏は「ミャンマー人の間に不満が充満していなければこれだけのことは起きない」と反論した。

 さらに、国連のガンバリ事務総長特別顧問が29日からミャンマーに入ることに関し、高村氏が「(特別顧問が)訪問した時点には、改善策を具体的に示せるようにしてほしい」と求め、日本政府としても藪中三十二外務審議官を30日に派遣する方針を伝えた。これについて、ニャン・ウィン氏は「(藪中氏を)受け入れてよく話し合う」と述べたという。

 日本政府は03年5月に民主化運動指導者アウン・サン・スー・チー氏が拘束された後、政府の途上国援助(ODA)の新規案件を停止している。高村外相は記者団に「さらに強い措置をとるかどうか、今後のミャンマー政府の推移を見守っていきたい」と述べ、さらなる制裁にも含みを残した。

 高村氏は28日夜、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長とも国連本部で会談。潘事務総長は「カメラマンが殺されたことに同情とお悔やみを申し上げる。スー・チーさんら民主化勢力と政権が話し合い、正しい道筋を求めていくべきだ」と話した。

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