現在位置:asahi.com>ニュース特集>ミャンマー情勢> 記事 スー・チーさんと軍政が会談 ミャンマー2007年10月25日07時02分 ミャンマー(ビルマ)の民主化運動家アウン・サン・スー・チーさんとの対話のために軍事政権に任命されたアウン・チー対話調整担当相が就任後すでに2回、スー・チーさんと会談していたことが分かった。軍政に近い情報筋が24日、明らかにした。大規模な反政府デモの武力制圧に乗り出してから26日で1カ月。軍政は民主化努力を積極的に演出することで国際社会の圧力回避に躍起になっている。 会談の内容は不明だが、軍政側は「スー・チーさんが敵対姿勢を改める」といった対話条件を受け入れるよう求めているとみられる。8日夜の国営テレビで突然発表された対話調整担当相の設置は、国際社会の民主化圧力を回避するためのポーズとの見方が強かったが、本格的な対話実現に向けて実質的な交渉に入っていたことになる。 民主化の象徴であるスー・チーさんとの対話実現を強調する軍政の姿が最近は目立つ。国営3紙は20日から2日間にわたってスー・チーさんに軍政との対話に応じるよう求める記事を同時掲載。外交筋の中には「国際社会の監視の手前、成果が得られるかは別として、軍政トップのタン・シュエ国家平和発展評議会議長が会うだけならありえるかもしれない」との期待感も、少数派だが出だしている。 一連の反政府デモ以降、海外メディアの入国を拒否してきた軍政が、東南アジア諸国の記者団約20人を招待したことも分かった。記者団は25日朝にヤンゴンに到着する模様だ。 米国が軍政幹部の資金凍結を決めるなど、欧米諸国を中心に圧力が強まる中、逆に国際社会の注目があってこそ、民主化姿勢を演出する最も効果的なタイミングだとの思惑もにじむ。ある政府筋は「当分しのげば世界は徐々にデモ弾圧を忘れていくと踏んでいるのではないか」と軍政の狙いを分析した。 ●僧侶弾圧、募る不安 「何人かの僧侶がデモを引き起こし、政府も行動を起こす必要があった。今回、僧侶は1人も死んでいない。真の僧侶への支援は変わらない」 ミャンマー軍政幹部は24日、僧侶ら約30人と会談し、武力行使に理解を求めた。会談の内容は同日夜の国営放送で国民にも報じられた。 20日に夜間外出禁止令が全面解除されたヤンゴンでの市民生活は、ほぼデモ前の状態に戻っている。9月下旬から数週間、ヤンゴン周辺に滞在したフリージャーナリストの宇田有三氏の話では、国軍兵士は11日から市内のバリケードを片づけ始め、地方などの通常配置に戻ったという。 朝日新聞の現地通信員によると、市民の間では僧侶への暴力に批判が根強い。「尊敬する僧侶の弾圧で軍政は一線を越えた」などの会話が街中で頻繁に交わされており、こうした火種の拡大を避ける意味でも僧侶との会談が必要だったようだ。 ただ、デモ参加者や民主化運動家の摘発は今も続く。軍政の発表だけでも一連のデモで3千人近くが拘束され、今も400人以上が釈放されていない。圧政姿勢は変わっておらず、「民主化を求めるデモ再燃はとてもありえない」(外交筋)との見方が圧倒的だ。 ◇ ミャンマー軍政は24日の国営放送を通じ、故ソー・ウィン首相の後任にテイン・セイン国家平和発展評議会第1書記が就任したと発表した。 PR情報この記事の関連情報 |