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山田洋行 協力費1億円、裏金から

2007年11月30日17時00分

 軍需専門商社「山田洋行」が、国発注の旧陸軍の毒ガス弾処理事業の下請け受注などに絡み90万ドル(約1億円)を支出したとされる問題で、この約1億円は、同社の米国子会社が管理する裏金から捻出(ねんしゅつ)されたことが関係者の話でわかった。東京地検特捜部は30日午前、山田洋行本社や同社オーナーの関係先などの捜索に乗り出した。裏金が使われた不透明な支出などの解明が目的とみられる。同社はこれまでも資料を提出していたが、捜索を受けるのは初めて。特捜部は今後、防衛利権の解明のため、政界ルートも視野に入れた捜査を進める見通しだ。

 山田洋行社内で作成されたという文書で、この約1億円は、防衛族議員が理事を務めてきた社団法人「日米平和・文化交流協会」常勤理事の秋山直紀氏が関係する任意団体「安全保障研究所」の関連団体に業務協力費として「支払い済み」とされた。海外の裏金を使うことで資金移動を隠蔽(いんぺい)しようとした疑いもある。

 問題となった事業は、福岡県苅田町(かんだまち)の苅田港の海底で00年に見つかった毒ガス弾を処理する事業。山田洋行は、防衛庁(当時)が所管した第1期(04年度)、第2期(05年度)の事業で、大手鉄鋼メーカーの下請けに入ったが、第2期途中で契約は打ち切られた。

 社内文書によると、同社は60万ドル(03〜04年ごろのレートで約6600万円)を第1、2期の下請け受注に絡む業務協力費として、安保研の米国の関連団体へ支払い済みとしている。さらに、契約打ち切り後の第3期(06年度)も、安保研に30万ドル(06〜07年ごろのレートで約3500万円)を支払い済みとし、計90万ドル(約1億円)を支出したと記載されている。

 山田洋行関係者によると、同社はこの約1億円を支出する際、米国子会社「ヤマダインターナショナルコーポレーション」が管理していた裏金口座の資金を使ったという。裏金は、子会社元社長の秋山収容疑者(70)=業務上横領容疑などで逮捕=が、役員報酬名目などで支出された資金をロサンゼルスなどにある複数の銀行口座に分散して預けていた。

 社内文書は、裏金口座から引き出された約1億円について、山田洋行と関係が深かった米国法人で部品製造会社との仲介業をしていた商社などを通じ、安保研の米国の関連団体へ支払い済みとしている。裏金のため、この資金移動は帳簿などへの記載は一切ないという。

 特捜部による山田洋行本社への捜索は、逮捕した前防衛事務次官の守屋武昌容疑者(63)らの収賄容疑や、再逮捕した山田洋行元専務の宮崎元伸容疑者(69)の贈賄容疑の関連先として行われたとみられる。

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