防衛装備品の調達をめぐる汚職事件で、収賄罪などに問われた前防衛事務次官の守屋武昌被告(63)らの公判が19日、東京地裁であり、守屋前次官への被告人質問が始まった。守屋前次官は、贈賄罪などに問われた軍需専門商社「山田洋行」元専務の宮崎元伸被告(69)側への便宜供与について否定した。
弁護側が冒頭、宮崎元専務側に対する便宜供与の有無について尋ねた。守屋前次官は、初公判で起訴事実を大筋で認めていたが、「特定の企業に対して便宜供与したことはございません」と言い切り、検察側の主張の一部を否認した。
検察側は初公判の冒頭陳述で、航空自衛隊次期輸送機(CX)エンジンの調達や新型護衛艦(19DD)エンジンの選定など、宮崎元専務側への便宜供与が8件あったと指摘。前次官が、当時の防衛庁幹部らに対し元専務側に有利な取り計らいをするよう指示した、などと主張していた。
検察側は、CXエンジンの調達をめぐり、一般競争入札の必要性を説く部下に対し、前次官が「(宮崎元専務側と)随意契約するに決まっているだろう」と述べたと指摘したが、前次官はこの日、「その時点では、財務省から従来の随意契約を見直し、競争性を持つように通達があったことを知らなかったため」と反論した。
米国の軍需メーカー関係者に会い、宮崎元専務との緊密な関係を強調したとの指摘については、「世界の軍事情勢の情報収集などが目的で、便宜供与はしていない。外国の要人に会うことは珍しいことではない」と述べた。
前次官は「現場レベルですでに合意形成したものに口出しはできず、次官の意向で決まるものではない」と主張。「国民にとって役に立つもの、隊員が安全に使用することを考えるのが大切で、それを重要視してきた」と述べて、正当な選定をしてきたことを強調した。