再出荷時の商品ラベル(上)と、初出荷時のラベル。再出荷品には目印として「:」が刻印されていた
返品された奈良県特産の三輪そうめんの賞味期限を書き換えて再出荷していたとして、農林水産省は6日、同県桜井市の森井食品に対し、日本農林規格(JAS)法に基づき、改善命令を出した。02年には産地の不表示で改善を指示されており、次に違反すれば罰則が適用される。
同省によると、森井食品は、関連会社の「森嶋食品工業所」(三重県名張市)に指示して、販売先から返品された「伝承手延(てのべ)三輪素麺(そうめん)」など賞味期限1年半の48商品を包装し直して賞味期限を1年半先の日付に書き換えたうえで再出荷していた。三重県も6日、森嶋食品工業所にJAS法に基づき改善を指示した。
両社はかびが生えて変色しためんは取り除いて詰め替えていたが、JAS法では、販売していったん自社の管理下を離れた返品の賞味期限を書き換えることを禁じている。返品の賞味期限の書き換えは7年前から続き、返品の再販売は07年だけでも1万1615セット(約14トン)に上り、全国の百貨店やスーパーで贈答品などとして、1キロ約3千円の価格で販売されていた。
再出荷品が再び返品されて、再々出荷となるのをさけるために、再出荷品には箱詰めした日付の横に「:」の記号を付け、社内では点が二つあることから「テンテン商品」と呼んでいたという。
森井食品は、くずきりの3商品でも返品を再包装して、賞味期限を2年先に書き換えて再販売していた。
森井食品は02年7月にも長崎県産のそうめんに産地を表示せずに「三輪そうめん」として、JAS法の改善指示を受けていた。今回の改善命令後に新たな違反が見つかれば、刑事告発され、1億円以下の罰金などが科せられる。
同社の野崎良雄生産本部長は「実際の賞味期限は3年半だが、薬品を使っていないため、1、2年で虫が付きやすくなり、期限を短く設定していた。違法との認識がなく、申し訳ない」としている。(歌野清一郎)