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年末年始特集

女性鷹匠「魅せます」 新春に都心で実演へ

2008年12月28日

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写真休耕田を使ってハヤブサを調教する大塚紀子さん=神奈川県南足柄市

 タカを使う猟「鷹狩(たかが)り」が来年1月2日と3日、東京都中央区の浜離宮庭園で披露される。実演するのは、諏訪流放鷹(ほうよう)術保存会事務局長の大塚紀子さん(37)だ。獲物を追うタカの姿に魅せられて10年余。夢は、鷹狩りが国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されることだ。

 保存会は、江戸時代に徳川家に仕えた諏訪流鷹匠の伝統を受け継ごうと06年にできた。会員は約20人。調教経験3年以上で、実技試験に合格した鷹匠は5人。大塚さんもその一人だ。スポーツ人類学を専攻した大学の卒業論文で鷹狩りを取り上げたのが縁で、この世界に飛び込んだ。

 タカを屋外の小屋で飼う人も多いが、大塚さんは埼玉県所沢市内の「ペット可」のアパートで飼っている。2部屋のうち3畳の部屋をオオタカとハヤブサの2羽が占領。たいていは止まり木で休んでいるのでおとなしいという。

 えさには血抜きをしていない生肉が必要で、卵をうまなくなったウズラを譲り受けて与えている。秋から冬のシーズンは毎日、車で片道1時間ほどかけて東京・多摩地域の休耕田や河川敷に出かけ、2〜3時間の調教をする。

 保存会によると、猛禽類(もうきんるい)を使う狩りは中東や欧州など100カ国以上で行われ、日本では1600年以上の歴史がある。皇族や武将に好まれたが、今の愛好者の人数は、流派を問わず全国で200人程度とみられている。

 大塚さんは2年前から早稲田大学大学院で、諏訪流の歴史的位置づけや技法などまとめている。ユネスコ無形文化遺産登録を目指す保存会の中で重要な役割だ。「多くの伝統猟法が消滅するなか、登録は文化を守る一つの手段。独自性を明らかにしたい」

 浜離宮庭園の実演では、近くにある地上48階建ての電通本社ビル屋上からハヤブサを放つ。「獲物を捕るため、鷹が本気で追い、技を見せてくれるのが楽しい」と大塚さん。庭園内では、鷹匠の手から別の鷹匠の手にオオタカが行き来する「振り替え」なども見ることができる。(根本理香)


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