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年末年始特集

遭難のスノーボーダー、7人全員救出 廃屋で夜明かし

2008年2月6日

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 広島県安芸太田町の国設恐羅漢(おそらかん)スキー場で遭難し、40時間余り後に無事救出されたスノーボーダーの男性7人は5日午後、3カ所に分かれた搬送先の広島市の病院でそれぞれ記者会見し、遭難の状況を語った。7人を救ったのは、偶然たどり着いた廃校舎だった。

 辺りが薄暗くなっていた午後6時ごろ、7人は「廃校の校舎のような建物」に身を寄せた。1970年に過疎化で廃校となった旧広見小学校の建物だ。一帯はかつて72戸の集落だったが、同校の廃校とともに最後の7戸が移転し、廃村になった。

 12畳くらいの部屋。腐りかけた床板をはがすなどした廃材でたき火をし、ウエアを乾かした。雪を溶かして飲料水にし、夜は火を絶やさないために交代で仮眠を取った。古びた毛布もあり、体温の低下を防いだ。

 廃校舎を見つけたのはまったくの偶然だった。「それが見つかったおかげで助かった」(金藤宗晃さん)。校舎内で交わした会話はもっぱら、どうやって自分たちの生存を外部に知らせるかだった。携帯電話の電池を温存しつつ、体力のある数人が電波の圏内を探し求めて周囲を歩き回った。

 救助された後、自衛隊の車の中で、青木貴彦さんの携帯電話が圏内になった。友人からの励ましのメールが20〜30通届き、涙が出たという。

 「山を甘く見ていた」「自信過剰だった」。7人は会見で反省をにじませた。

(2008年2月6日 朝日新聞朝刊)


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