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北朝鮮、よど号容疑者ら引き渡しへ 3人は拉致関与か

2008年6月13日21時32分

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写真魚本(安部)公博容疑者

 政府は13日、北京で11、12の両日行われた日朝の外務省実務者公式協議で、北朝鮮側が日本人拉致問題の再調査を約束し、日航機「よど号」ハイジャック事件関係者の日本への引き渡しに向けて調整することで合意したと発表した。日本側は見返りとして制裁を一部緩和し、人的交流やチャーター便の往来などを認める。

 日本への引き渡しが検討されるのは、よど号事件実行犯の生存者で北朝鮮にいる小西隆裕(63)、若林盛亮(もりあき)(61)、赤木志郎(60)、魚本(旧姓・安部)公博(60)の4人全員と、実行犯の妻の森順子(よりこ)(55)、若林佐喜子(53)の計6容疑者。魚本容疑者と妻2人が日本人拉致事件に関与したとされる。

 福田首相は13日夕、記者団に「北朝鮮に話し合いの姿勢が見えてきた。交渉プロセスの入り口に立ったと考えて良いのではないか」と述べた。

 町村官房長官は記者会見で、北朝鮮側が「拉致問題は解決済み」という従来の立場を変更したとの見方を示し、「一定の前進」と評価した。再調査については「(協議で)日本側は『調査は生存者を発見し、帰国させるための調査だ』と述べ、先方は反対しなかった」と強調した。これに対し、拉致被害者家族連絡会は、一部制裁の解除に応じた日本政府の対応に反発している。

 日本の対北朝鮮の独自制裁は06年10月に北朝鮮が核実験を行ったことを機に発動された。緩和後も、北朝鮮からのすべての品目の輸入禁止などの措置は継続される。万景峰号など北朝鮮船舶の入港禁止については、民間の人道支援物資を日本から北朝鮮に運搬する場合に限って規制解除するとしている。実施時期については「拉致被害者の再調査がどのような形で行われるのか、その様子を見なければならない」(町村長官)として、北朝鮮側の対応を見ながら検討するとした。

 日本政府は、米国が拉致問題の進展がないまま北朝鮮のテロ支援国家指定を解除することに反対してきたが、外務省首脳はこの日「核問題も前に動かさなくてはいけない。全体を見て判断する」と述べ、指定解除の容認もありうるとの姿勢を示した。

 一方、朝鮮中央通信は13日、協議の結果を報道文として公表。よど号問題については「問題の解決のため協力する用意がある」とだけ表明し「引き渡し」との表現は使わなかった。拉致問題の再調査について「拉致被害者に生存者はいない」との従来の主張を繰り返す可能性もある。(玉川透、牧野愛博)

     ◇

 日朝合意の骨子

 ●北朝鮮側の措置

 「拉致問題は解決済み」との従来の立場を変更し、再調査を実施

 北朝鮮居住のよど号ハイジャック事件関係者6人の帰国に向けて調整

 ●日本側の措置

 北朝鮮との人的往来の規制を解除

 北朝鮮からの航空チャーター便の乗り入れ規制を解除

 人道支援物資の積み込み目的に限り、北朝鮮籍船の入港を認める

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