共同記者会見で共同声明を発表する高村外相=27日午後3時10分、京都市左京区の京都国際会館、上田潤撮影
共同記者会見で北朝鮮問題について発言するライス・米国務長官=27日午後3時41分、京都市左京区の京都国際会館、上田潤撮影
高村外相は27日、京都市の京都迎賓館で米国のライス国務長官と会談した。両氏はブッシュ米大統領が26日に「拉致を忘れない」と明言したことを踏まえ、対北朝鮮政策で両国が今後も連携することを確認。北朝鮮が申告した核計画の検証策を6者協議で早期に詰める方針で一致した。
日本側の説明では、高村氏は米国による北朝鮮のテロ支援国家指定解除で「日本国内には拉致問題が置き去りにされるのではないかとの心配がある。引き続き北朝鮮への最大限の働きかけをお願いしたい」と要請。ライス氏は「拉致問題は我が国にとっても懸念すべき重要な問題だ。解決のために努力していく」と約束した。
会談後の記者会見でライス氏は「我が国はこれからも(北朝鮮に)圧力をかける。国連安保理の制裁決議も引き続き有効だ」と述べ、北朝鮮を動かす「テコ」が失われたとの見方を否定した。高村氏は「私もライス長官も、日米関係を悪くして北朝鮮を喜ばすことは全く考えていない」と語り、両国関係に揺るぎがないことを強調した。
日米外相会談に先立つ主要8カ国(G8)外相会合で高村氏が発表した議長声明は、「北朝鮮が遅ればせながら申告を提出したことを重要なステップとして歓迎する」としたうえで、北朝鮮に対し検証作業への協力と既存の核施設の迅速な無能力化を求めた。拉致問題についても「安全保障ならびに人権、人道に関する懸念に対処するため速やかに行動するよう強く要請する」とした。
日本政府は拉致問題についてG8各国の理解が得られたとして、7月の北海道洞爺湖サミットでも、議長総括などの文書に盛り込む考えだ。
日本政府はテロ支援国家指定解除通告の翌日となった今回の外相会談を、拉致問題の進展に向け、米国の変わらぬ支援を取り付けるとともに、「日米同盟を再確認」(外務省幹部)する機会と位置づけていた。(玉川透)