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北朝鮮、通行制限を開始 開城進出企業「どうなるのか」

2008年12月2日3時1分

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写真1日、南北非武装地帯の北朝鮮側ゲートを通過する韓国のトラック=AP

写真韓国側非武装地帯の手前にある通関ゲートで1日、開城工業団地に向かう手続きを待つ韓国のトラック=ロイター

写真1日、韓国側非武装地帯の手前にある通関ゲートを通り、開城工業団地に向かう韓国のトラック=ロイター

 【ソウル=稲田清英、箱田哲也】北朝鮮は1日、事前通告通り軍事境界線の通行制限を始めた。南北経済交流で唯一残されている開城工業団地にも自由に出入りできなくなり、入居企業の不安も一層強まってきた。強気の姿勢を崩さない北朝鮮だが、もし全面遮断となれば同時に貴重な外貨収入源を失うことになる。

 1日午前7時過ぎ。明るくなり始めたソウル中心部に、「ソウル―開城」の表示を掲げたバスが着いた。数社の従業員数十人がまとまって、職場のある開城に向かうが、表情はさえなかった。

 「今のところ北の労働者の様子に変わりはない。だが、この先どうなるのか何もみえないのが不安で、緊張している」。ある従業員はこう言ってバスに乗り込んだ。

 北朝鮮は立て続けに韓国の李明博(イ・ミョンバク)政権に対する強硬策を出している。11月12日に「軍事境界線の陸路通行を12月1日から厳格に制限、遮断する」と通告したのに続き、30日午後11時55分には「工業団地の常駐は880人に制限する」と伝えてきた。これまでの約半分の規模だ。

 設備投資を進めてきた企業側は気が気でない。04年末に生産が始まった開城工業団地には、繊維や機械金属などを中心に中小企業88社が進出。賃金の安い北朝鮮の労働者を活用して生産を行っている。今後、開城への進出を予定している企業も少なくないが、政治の波に洗われ動きは止まっている。

 一方で、北朝鮮経済に与える打撃も大きい。工業団地事業を通じ、07年には北朝鮮側に2400万〜2600万ドル(約23億〜24億円)がわたったと推計される。

 やはり貴重な外貨収入源だった金剛山観光も7月に起きた観光客の射殺事件で中断しており、昨年末から始まった開城の日帰り観光事業も11月28日で止まった。韓国政府関係者は、この二つの観光事業で北朝鮮が年間約5千万ドルを得ていたと推定する。北朝鮮は外貨収入の手段を自ら放棄した形だ。

 今後の北朝鮮の出方について「工業団地の閉鎖につながりかねない軍事境界線の完全な遮断にまでは踏み切れないだろう」との見方がある一方、韓国の金夏中(キム・ハジュン)統一相は11月26日に国会で「全面遮断の可能性も排除できない」と答えた。

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