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金正雲氏が極秘訪中 金総書記の特使、胡主席らと会談

2009年6月16日3時2分

図金正日総書記の主な家族関係

地図北朝鮮と中国

 【北京=峯村健司】北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の三男、正雲(ジョンウン)氏が、金総書記の特使として中国を極秘に訪問していたことがわかった。胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席らと初めて会談、後継者に内定したことが直接伝えられた。核問題も話し合われ、中国側は6者協議への早期復帰を強く求めたとみられる。

 両国を往来する金総書記に近い北朝鮮筋と、北京の北朝鮮関係者が明らかにした。

 正雲氏は6月10日前後に空路で北京入りした。胡主席のほか、中国共産党対外連絡部の王家瑞部長ら幹部と相次いで会談。正雲氏がすでに金総書記の後継者に指名され、朝鮮労働党の要職である組織指導部長となっていることが、同席した側近から中国側に説明されたという。

 北朝鮮は、2度目の核実験に対する国連安全保障理事会の新たな制裁決議採択を受け、ウラン濃縮作業の着手を表明するなど反発を強めている。胡主席は正雲氏との会談で、北朝鮮が計画しているといわれる3度目の核実験や大陸間弾道ミサイル発射などの中止を求め、平和的手段による解決を促した模様だ。

 正雲氏は北京を離れた後、金総書記が06年1月の訪中時に訪れた広東省深セン(センは土へんに川)、広州も訪問し、ハイテク工場などを視察した。広東省は中国が30年前に始めた改革開放政策でいち早く発展した地域だ。北朝鮮筋は「金総書記と同じ経路をたどることを通じて、正統な後継者であることと、改革開放政策を評価していることを示す狙いがある」と明かした。

 金総書記も後継者内定後の83年6月に訪中し、当時の最高実力者トウ(トウは登におおざと)小平氏や胡耀邦総書記と会談した経緯がある。

 王部長が今年1月に訪朝した際、金総書記は訪中要請を受諾したが、昨年夏からの健康悪化で「体力的に長期間の外遊には適さない」(同筋)として実現は難しくなっている。北朝鮮が2度目の核実験をした直後の5月下旬、労働党幹部が訪中し、正雲氏を特使として派遣することを決めたといい、同筋は「正雲氏が金総書記の名代として初外交を飾ることで、両国間の約束を守りつつ、核実験に不快感を示す中国側に理解を求める意図がある」と説明する。

 新たな制裁で北朝鮮向け貨物の検査強化や金融制裁が始まると、北朝鮮は経済状況がさらに悪化する可能性が高い。そのため正雲氏は、北朝鮮の最大の援助国で貿易相手国でもある中国に対し、エネルギーや食糧の緊急援助などを要請したとみられる。

    ◇

 金正雲氏 母親は金総書記の3番目の夫人の故高英姫(コ・ヨンヒ)氏。90年代後半にスイスに留学していた。朝鮮労働党幹部が今年初め、非公式に訪中した際、中国共産党幹部に対し、金総書記が正雲氏を後継者に指名したことを口頭で伝達。韓国の情報機関も後継者として「最有力」と国会に報告しており、いつ訪中するかが注目されていた。

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