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中朝の経済協力、目玉事業が始動 黄金坪島・威化島

2011年6月8日20時17分

写真拡大8日、北朝鮮領の黄金坪島の着工式会場にはトラックが並び、北朝鮮の歌舞団員とみられるチマ・チョゴリ姿の女性も見られた=丹東、西村写す

図拡大中朝国境地帯

 中朝国境を流れる鴨緑江に浮かぶ北朝鮮領の黄金坪島と威化島の開発権を中国が取得し、工業団地などを建設する中朝経済協力事業の着工式が8日、黄金坪島で開かれた。同事業をきっかけに、国境地帯で中朝協力事業が本格的に動き出す。

 5月下旬の金正日(キム・ジョンイル)総書記の訪中で協力事業の詰めの協議を行ったとみられる。慢性的な経済不振に加え、核開発問題などで国際的に孤立する北朝鮮は、「強盛大国の大門を開く」とした来年に向け、中国資本を利用して経済を立て直す姿勢を鮮明にした形だ。北朝鮮の最高人民会議常任委員会は6日、政令で「黄金坪・威化島経済地帯の設置」を決定。政令は「伝統的な朝中友好をさらに強化し、対外関係を拡大し、発展させるため」と意義づけ、黄金坪島から開発を始めるとしている。

 着工式は中国遼寧省丹東市と接する黄金坪島の一角で開催。会場周辺の数百メートルが封鎖され、治安部隊や装甲車が警戒した。北朝鮮からは外資導入を担当しているとされる金総書記の妹婿の張成沢(チャン・ソンテク)国防委員会副委員長らが、中国からは陳徳銘・商務相らが出席したとの情報がある。政府や企業の幹部や工事関係者、島民ら千人近くが参加した模様で、北朝鮮の歌舞団とみられるチマ・チョゴリ姿の女性らも確認できた。

 黄金坪島は面積約11平方キロの穀倉地帯で、丹東市と細い水路で隔てられただけでほぼ陸続き。関係筋によると、中国が数億ドルで50年間の開発権を得て、北朝鮮の安い労働力を活用したIT関連企業や食品、服飾などの加工場を集めた工業団地、通関手続きや関税が免除される保税区を設け、中国人らのビザを免除するなど自由貿易区に近い形態になるという。

 南北協力事業の開城工業団地に似た構想で、中朝間では初の取り組み。中国側は、中国企業を中心に約300社を目標に誘致する計画とされる。北朝鮮の民俗・風習を意識した観光施設もつくる。

 また、対岸の丹東では、鴨緑江の新たな国境橋の建設も始まったばかり。さらに、中国吉林省琿春と北朝鮮北部の羅津港を結ぶ道路改修工事などの着工式典が近く羅先市で開かれる模様で、中朝協力事業が続々と始動する。

 一方で、猫の目のように変わる北朝鮮の法制度や金融面での信用不安などから事業の成功を疑問視する見方も少なくない。2002年に丹東の対岸の新義州を経済特区に指定した際、北朝鮮が任命した初代長官を中国当局が摘発し、立ち消えになったケースもある。(丹東=西村大輔)

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