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北朝鮮映画の著作権、日本では「保護義務なし」 最高裁

2011年12月8日20時34分

 国交がない北朝鮮の著作権は、日本でも法的に保護されるか。北朝鮮で制作された映画を無断使用した民放のニュース番組をめぐる訴訟の上告審判決で、最高裁第一小法廷(桜井龍子裁判長)は8日、「日本で保護する義務はない」との初判断を示した。その上で、「保護すべきだ」と主張した北朝鮮の行政機関などの請求をすべて棄却した。

 訴えていたのは、北朝鮮文化省傘下の行政機関「朝鮮映画輸出入社」(平壌)と、同社から日本での著作権管理を委任された「カナリオ企画」(東京)。ニュース番組で北朝鮮映画を無断で放送されたとして、日本テレビとフジテレビ(いずれも東京)に放映差し止めと損害賠償を求めていた。

 著作権の国際的な取り扱いはベルヌ条約で「加盟国の国民の著作権は保護される」と定められ、日本、北朝鮮とも加入している。しかし、第一小法廷は、日本政府が北朝鮮に条約の効力が及ぶと告示していないことや、外務省や文部科学省も「条約により、北朝鮮国民の著作権を保護する義務を負うものではない」との見解を示していることなどから、著作物として保護する必要性を認めなかった。

 判決は、国際条約で保護される権利や義務が一般的に国交のない国に及ぶかについても言及。「普遍的な価値がある国際法上の義務がある場合を除き、日本側が選択できる」との初判断を示した。難民保護などでは、権利義務が保護される可能性もある。

 二審・知財高裁は、著作権の侵害は認めなかったものの、無断放送でカナリオ社の利益が侵害されたことは認め、放送局2社に12万円ずつの賠償を命じていた。しかし、今回の判決は「著作権法の対象にならない以上、不法行為にならない」と述べ、二審判決を破棄した。(山本亮介)

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