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「北朝鮮、シリアに兵器輸出」 安保理パネルが指摘

2012年5月19日16時32分

 国連安全保障理事会の北朝鮮制裁決議の履行状況を監視する専門家パネルが、北朝鮮がシリアに兵器関連物資を輸出し、安保理決議違反の疑いがあると最新の報告書で指摘していることがわかった。北朝鮮技術者がシリアに駐在している可能性も指摘している。

 朝日新聞が入手した87ページの報告書によると、2007年10月、北朝鮮からシリア西部の港湾都市ラタキアに向かう貨物船を、安保理決議に基づいてある国が検査。積み荷から弾道ミサイルの製造に使うとみられる電子部品や金属板を見つけ、押収した。

 貨物からは、朝鮮語で書かれた個人あての手紙や北朝鮮製の缶詰などの保存食、北朝鮮の映画のDVDなども見つかり、報告書は「北朝鮮技術者が目的地にいることを示唆している」と結論づけた。貨物船は、中国の大連とマレーシアのケラン港を経由していた。

 10年11月には、フランスが北朝鮮からシリアに向かう船舶を検査。品名は銅板などとなっていたが、実際には迫撃砲の製造に使われる金属板や、ロケット弾の製造に使われるアルミ合金の管だった。

 また、北朝鮮が4月の軍事パレードで公開した大型ミサイルの運搬車両については「北朝鮮に製造能力はない」と断定、継続調査するとしている。

 日本関連では、08年から10年にかけて摘発された中古高級自動車5台やノートパソコン698台など計12件の決議違反とみられる北朝鮮への輸出例を報告。うち11件は中国経由で、多くのケースで大連の企業が介在していたとしている。

 パネルは、09年の北朝鮮による2度目の核実験を受けて採択された安保理決議1874号で設置された。安保理常任理事国5カ国と日本、韓国からの計7人で構成。兵器輸出入禁止などの制裁を国連加盟国が履行しているか監視し、毎年報告書を安保理に提出する。

 ただし、公表には安保理の全理事国の同意が必要で、これまでは中国の反対で公表されていない。今回も決議違反への中国関係者の関与が明記されていることから、反対するとみられる。(ニューヨーク=春日芳晃)

     ◇

■報告書の骨子

●北朝鮮が弾道ミサイル関連物資をシリアに向けて輸出

●北朝鮮製缶詰や朝鮮語の手紙も発見、北朝鮮技術者のシリア駐在の可能性

●シリア向け輸出は中国・大連経由ルートも

●北朝鮮は日本や欧州からノートパソコンや高級自動車などのぜいたく品を輸入

●北朝鮮に軍事パレードで使用したミサイル運搬車両の製造能力はなく、継続調査

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